深あっちの世界ゾ〜ン・第七夜「赤い傘の女の子」
三堂りあるさん談
雨の降る日は外出したくないですね。特に夜は。 これは雨の降る夜に起きた話です。 これは昔、お世話になった塾の先生が大学生だった頃に体験した話だそうです。 友人の家でくだらない話で盛り上がっていると、酔いも醒めてきました。 「酒がないとイマイチ盛り上がらない」という事で その仲間の一人が「ウチにある酒とつまみを取ってこい」てな事になったのだそうです。 結局、完全に酔いの醒めた後輩が車を運転して 先生(当時大学生)が助手席でナビをすることになりました。 雨がシトシトと降る午前2時過ぎの事だったそうです。 車だと目的地までは20分くらいの所でした。 車は住宅地を走って行きます。 しばらく進むと前方に赤い傘が見えました。 どうやら小学生くらいの子が 傘を少し前に傾けて(向かい風に乗った雨をさけるように)、歩いているようです。 車が近づくとランドセルを背負った女の子だと分かりました。 傘に隠れて顔は見えませんでした。 こんな時間にランドセルの小学生なんておかしいな? ひょっとして家出か何かか? そう思って先生は車が女の子とすれ違う瞬間、チラッと見たのです。 「本気でビビッた」が先生の感想だそうです。 その女の子は首から上が無かったのです! 「確かにその女の子にもビビッたけれど、 幽霊ってヤツはもっと雰囲気のある所に出るものだと思っていた。 時間が時間とはいえ、あんな普通の住宅地に出るとは、ねぇ。」 先生はその後、車を運転していた後輩や仲間達に この事を話したけれど信じてもらえなかったそうです。 「それはともかく、あの女の子は、首がないのにどこに行くつもりだったんだろうなぁ」 |
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