深あっちの世界ゾ〜ン・第九夜「開けて!開けて!」
そにあさん談
これは私が高校生の頃のはなしです。 その日わたしは自分の部屋でベッドに横になって、本を読んでいました。 すると突然、母が私の部屋の前をけたたましく通り過ぎていきました。 「さえこ、さえこ、どこなの!?開けるわよ!!」 ただごとではなさそうな様子の母が、ドアを開けて部屋に入ってきました。 訳が分からず面食らっている私に、 母は「いったいどうしたの!?」と聞いてきました。 わたしが「はぁ?なにが?本読んでるだけなんだけど。」と聞き返すと 「だってあなた今『開けて!開けて!』って叫んだじゃない。」 もちろん私はそんなわけはないので、「言ってないよ」と否定すると、 「言ったわよ!はっきりとその声で!!」と母は譲りませんでした。 詳しく聞くと母は、父と一緒にその声をリビングで聞いたらしく かなりせっぱ詰まった声だったので何事かと思い 父が母に「開けに行ってやれ」と言ったそうです。 ちなみに冬だったので窓は閉まっていたし、そのとき私たちは ブラジルに住んでいたので外部からの声を勘違いしたという可能性も薄いです。 とりあえずその日から私は約3ヶ月間は、 「開けときゃあいいんだろ、開けときゃあ。」と、 恐怖のために部屋のドアを閉めることは出来ませんでした。 他にもいくつか体験談はありますが、またそのうちに。 |
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