深あっちの世界ゾ〜ン・第九十参夜「心霊写真は怖い」
忠猫さん談
さて、かなり前の話です。ぼくが14歳のころですね。 うーんいまから10年以上前。時の経つのは早いものです。 僕は丁度そのころから、いわゆる霊感少年になっていたらしいです。 顔も丁度そのころはやっていた「も○も学校が」(全然伏せ字の意味がない。) の主人公「霊感」に似ていると話題になり、「霊感」という源氏名をいただきました。 たしか、冬だったとおもいます。 友達と二人で、夕方6時位に、横浜から地元の駅「○川」に降り立ち、 川をまたいでいる橋を16号線方面に歩いていました。 なんの話をしていたのかは忘れてしまいましたが、話の途中にふと、 友達の後ろを見ると、真っ赤なコートを着た女性が静かに歩いていました。 金曜日か土曜日だったと思います。 もう辺りは暗く、仕事がえりのサラリーマンが帰途を急いでいましたから、 別段変だとも思わず、そのまま友達との会話を続けようと友達の方に視線を戻したのです。 で、気づいてしまいました。 友達の顔は、暗くても、街灯の灯かりでハッキリ見えるのです。が、 友達の真後ろを歩いていたにも関わらず、 女性の顔は暗く、影になっていて全く見えなかったことに。 「えっ?」と思わず声にだして、辺りをキョロキョロと赤いコートの女性の姿を 見つけようとしている僕の様子に気づき友達がどうしたのか尋ねてきました。 僕は、一部始終を説明して、「案外幽霊だったりして。」と冗談めかして、 その場をやりすごしました。 二年後、母と台所で、話をしていました。 なんの話から、そうなったのか分からないのですが、 「そう言えば、二年前に○川の駅のそばで、 赤いコートを着た女性を見かけたんだけど、消えちゃったってことがあったんだよね。」 と母に何気なく言うと、母は、 「あら?おまえ知らなかったの? 10年くらい前にあの駅で飛込み自殺をした女の人、赤いコートを着ていたんだよ。」 さすがにゾッとしました。 きっと顔が見えなかったのは、崩れた顔を見せたくなかったからなんでしょう。 今回はこれくらいで。 |
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