あっちの世界ゾ〜ン第十八夜「ピンクの駅」

さとみきさん談


はじめまして、こんにちは。

いつも楽しく「あっちの世界ゾーン」を拝見しております、さとみきと申します。

もっぱら、会社のお昼休みに読んでいるため、食欲が無くなったり倍増したり大忙しです。

本日は、さほど恐くないけど体験談を投稿してしまおう、と思いまして・・・。(しかも友人の)


「ピンクの駅」


今から六年くらい前だったと思います。

東京近郊に住んでいる方なら一度は乗った事が有るであろう「地下鉄東西線」、

その終着点「中野」に、私の友人S子が住んでいました。

ある日、夜遊びを終えたS子とその友人が、終電近くの東西線に乗り、帰宅しようとしていました。

電車の中には彼女らの他数人しか乗客はおらず、車内はガラガラだったそうです。

が、したたか酔っていた友人は「眠っちゃいそうだから」と、わざわざ立っていたそうです。

さて、東西線で中野まで、というと到着する駅は


早稲田→高田馬場→落合→中野


の順です。早稲田から3つ目です。

電車は何事もなく進み、早稲田を過ぎ、高田馬場を過ぎ、次の駅を過ぎました。

次の駅に着きました。

当然中野に着いたものと思い、彼女らは席を立ちました。が、そこは落合でした。

中野駅のひとつ手前です。

キツネにつままれたような思いにかられつつも、彼女らは、慌てて座り直しました。

ゴトンゴトンと電車に揺られながら、どちらかが口を開きました。

「今、中野だと思ったよね」

「高田馬場の次の次だったよね」

「・・・そういえば、さっき停まった駅、なんて駅だった・・・?」

彼女らは、一生懸命、高田馬場と落合の間にあった駅の事を思い出そうとしました。

そこで、二人の記憶に有ったのは駅名のカンバンを二人とも目にしなかった事

駅の壁がピンク色だった事、客が誰一人降りず、また乗ってこなかった事の、三点でした。

が、当時、東西線沿線でピンクの壁といえば早稲田のみです。


早稲田→高田馬場→落合→中野


過ぎてます、早稲田。

寝ぼけたにしては豪快です。

次の駅は、中野でした。府に落ちない思いを抱きつつ、帰路についたそうです。


さて、その話をきいてから二年。

私は東西線で中野に向かっていました。

思い出されるのは件の駅。いったいあれは何だったのだろうとぼんやり窓を眺めていたら・・・

あった。ありました、ピンクの駅。

近年改装され、淡いピンクに生まれ変わった「落合」駅のホーム。

彼女たちが見たあの駅は、この「二年後の駅」だったのでしょうか?

だとしたら、その駅で降りていたらどうなっていたのでしょうか。


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以上です。恐くないし変な文だしスミマセン。

(しかもあっちだかこっちだかわかんないし)では、このあたりで失礼します。





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