震あっちの世界ゾ〜ン・第二十弐夜「アイツはいったい・・・・」
ZANさん談
久々にお便りします。ちょっと長いですが、読んでやって下さい。 今から10年前、僕がまだ中学1年生の頃、 当時北海道の札幌に住んでいた事もあって、良く近場のスキー場に行っていました。 いま思い出すと、その日は昼間からおかしな事が起きていました。 まず、スキー場に着いて1時間ぐらいで友人のスキーが変な折れ方をし、 その数十分後に山の上の方からレスキュウ隊が事故で死んだ人を運んで下山してきました。 一緒に行っていたみんなは、「今日はなんか変だね」と口々に言い出し、 ナイターの時間帯だった事もあり、帰る事にしました。 冬休み中だったこともあり、友達の家にスキーを置いて自宅に向かいました。 僕の家は線路を挟んでいたので、歩道橋を渡らなければいけないのですが、もの凄い霧なんです。 もう数メートル先が見えないくらい。さっきまで何でもなかったはずなのに。 僕は恐くなり大きな通りへ出ました。が、車も妙に少ないんです。 平日のしかも、まだ10時前なのに。少し早足で家に向かう途中、ソイツは現れました。 皆さんは映画「リング」を見ましたか?アレに出てくる貞子を知っていますか? 最後の辺りで、テレビから出てきて、左右に揺れながら歩いてくるアレです。 ソイツは貞子バリの歩き方でこちらに向かって来ました。 最初は「酔っぱらいだろ?女のくせに。」とか思っていました。 「すれ違いになったときに顔を見てやろう。」と思ってソイツが真横に来た時に後悔しました。 ソイツは上からのぞき込むような形でコッチを見たのです。 僕はいつのまにか「つま先立ち」をしていました。 金縛りのように声も出ず、強引に生命の活動を止められたようでした。 体中の毛が逆立って、鳥肌がブワァ〜っと立ち、涙目になっているのに気がついて我に返りました。 何秒経過したのかもわからず、恐る恐る振り返ると、ソイツはいませんでした。 アイツはいったい何者だったのでしょうか? |
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