あっちの世界ゾ〜ン第六十壱夜「バイク関係のお話が続いているのに便乗して」

RENさん談


昔の彼から聞いたお話です。

彼にはA君とB君というバイクのお友達がおりました。

彼はその日に限ってA君とB君と走りにいかず、おうちでおこたに入ってぐーたら過ごしていたそうです。

A君とB君がいつものコースでとばしていまして、あるトンネルの所に来た時の事。

A君が先にトンネルを抜けた直後、

後ろでタイヤの激しくスクラッチする音、そしてその後に続くバイクのクラッシュする音、、、。

A君はB君の身を按じあわててバイクを止め、後方を見ましたがカーブする

そのトンネルの中の様子は見えず、バイクを置いて中に走って行こうとしたところ、

B君がびっこひきひきバイクを押して出てきました。

「やべーよ。バランス壊しちまった。」と苦笑いのB君。

「ビビらせんじゃねーよ」とA君。

ふたり暫くの間 B君のバイクの修理を試みたもののちっともふかないので

あきらめてバイクを取り合えずそこに放置し、B君を後ろに乗せてA君のバイクで帰路に向かいました。

B君は膝にかなり深く傷を負ってましたが相変わらずの冗談をとばす元気があったので

ま、家に帰って薬でもぬってろ等と話してました。

突然B君がK(前の彼)の家に寄って行きたいと言い出し、A君とB君はKんちの前で別れました。

おこたでTVを観ながらみかんを食べてたKがドアを開けると

「事故ちまって」と びっこひきひきB君が家に上がりました。

Kが応急処置をしてあげて、ふたりでみかんを食べ食べ 事故の様子等話してました。

「じゃ、帰る」と言うB君をKが送ると言ったけど 「いい、いい」ってB君は一人帰って行きました。

B君がKんちを出て直ぐ、電話が鳴りました。A君からでした。

「B、いるか? かわってくれ!」

「や、今帰った。」

「馬鹿!見て来い!」

やれやれと Kがドアを開けて周囲を見渡しましたが、B君はいませんでした。

「もう いねーよ。」

「でも、いたんだろ、今まで。」

「お前が連れて来たんだろ。 何だよ。何が言ーてーの?」

「今そっちに行く!!」

暫くしてA君がKんちに来ました。

「俺について来てくれ」というA君の後ろを走るKの行き着いた先は国立病院。

病院内の廊下でA君は「訳わかんねーよ」とぶつぶつ青い顔。

待ち合い室にB君のお母さんが警察の人達といました。

A君の顔を見るなり、泣き叫びました。

警察のおじさんがA君を少し離れた所に呼び出し、その後Kもそこに呼ばれました。

B君はトンネル内で死亡していました。

B君をそのまま置いて帰ったA君は警察に質問責めに合い、Kはその証人に。

その夜遅く家に戻ったKは、長い間呆然としていましたが、はっと気付きごみ箱を覗きました。

確かにみかんの皮と一緒に応急処置のごみがありました。

後日、B君は即死だった事が医者の調べで判明しA君の罪は問われませんでした。

しかし 遺族には「早く救急車を呼んでくれてれば」と思われていたようで、、、。

遺族に本当の事も言えず、ふたりは鬱の日々が続いたそうです。





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