あっちの世界ゾ〜ン第八十七夜「夜這い幽霊?」

ちゃるさん談


病院にいて暇だったのでいろいろ思い出したりしてたら

自分で体験したけど、見てないことを思い出しましたです。

大学時代の悪友(女)がお見舞いにきて、その当時の話をしたので思い出したのでしょう。

だから私は怖くなかった話でございます。


当時、つきあってた彼氏の部屋は広くて(2DK、バス、トイレつき)ダイニングも

ほんとに「食堂」くらい広かった(東武東上線沿線)のでよく飲み会の会場にされました。

ダイニングで宴会、残りの部屋を女部屋、男部屋にすると、

泊りの宴会が割と安心に開けたからです。

階下が大家さんだったのですが、出入りする学生が「挨拶はきちんと」を

守っていたので、文句とかもこない、コンパに絶好の環境でした。

その日も女性は私を入れて3人、男性は彼氏とその友達4人で

楽しく宴会を開き、深夜になったのでそれぞれの部屋に引っ込みました。

午前1時頃だったでしょうか。

女部屋は彼氏の寝室でダブルのベッドがあり、ベッドの下にも布団を敷ける

余裕があったので、私は下の布団に、友人のかにゃとむっくがベッドに寝ました。

隣の部屋とはダイニングを通らないと出入りできず、

「誰も夜這いしない」という約束はきっちり守られていたのですが

一応用心のために、ドアノブについている「ポッチ式」の簡単なかぎをかけて寝ました。

翌朝 目を覚ますと、かにゃが変な顔で私を見ていました。

私は「ほにゃあ おはよう」とか言ったのですが何となく様子が変。

私のパジャマの前ボタンがはずれており、すーすーしました。

「あれーー、寝ぼけた?うるさかった?」と聞くと「何もおぼえてないの?」といいました。

かにゃは起きるとドアを調べました。「かぎかかってるし..」とか言いました。

男連中を起こすと「誰か夜中に来なかった?」と聞き

「誰もいかない。約束してるじゃないか、別にしたかったら

宴会の時じゃなくてもいい..楽しくなくなるから」との言葉。

私とむっくは何が何やらわかりません(??)

何となく気まずくなり、むっくも授業が早くあるからと

私らはいつもはうだうだするのですが、学校に出かけました。

むっくが授業に出ると、かにゃが私に言いました。

「夕べ 誰かが部屋に入り、ちゃるの上にいた」

「えええーっ? 何も感じなかったよぉ」

「最初は気のせいかと思ったが気配は消えないので、彼氏ががまんできないで

(なんつう表現だ)来たのかと思った。でもなんかいやなので、意見しようと思い、

思い切ってちゃるの方を向いたら、そいつはあんたのパジャマのボタンをはずしてた」

「げーーー誰誰誰。わからなかったよう」

「ちゃるはいつも何か物音がするとすぐ起きるのに、夕べはぐったり寝ていた、

でも照れくさいので、眠ったふりをしているのかと思って...そしたらすごく腹が立って

そいつに声をかけようとして...起きあがったらそれは確かに男の顔なんだけど、

暗いだけじゃなくてぼやけていて良く確認できない。コンタクトはずしていても

あんな至近距離だったら、隣の男部屋の彼らだったら見間違うはずはないし、

侵入者だったら大声をあげようと思って目を凝らしても、顔はぼんやりとして見えない。

そのくせ手だけは良く見えて、あんたの胸を触っている」

「げ」

「誰?とだけ言うことができた。そしたらそいつはこっちを見て

指を口元に持っていった、シーってやったの。唇がそのとき見えた

血の気のない色でひび割れてた、でも目とかはよく確認できない。

もう一度だけ誰?と言えた。そしたらそいつ...

そのまま じわじわ消えていったんだよ。どー思う?」

「霊体だと..思う」

「それだけかい?」

「未遂だから..まぁ良かないけど、塩撒いてお払いします。」

「わたしは まじで こわかったんだぁ!」

かにゃに何故か怒られた。私は見てなかったから怖くなかったんだもん。

別にその後付きまとわれたこともなく、

そのときの彼氏と別れたわけもぜんぜん関係ない話です。

むかしむかしのお話でした。





     戻る