あっちの世界ゾーン第十夜「顔に近づくな」

vusen さん談




vusenの体験談その三です(笑)

今度は台湾に行った時の話を送ります。

僕が高校1年の時、知り合いの社長の荷物持ちって事で台湾に

つれてってもらいました。

その時は、初めての海外旅行だったので

「おお〜、飛行機がちゃんと飛んでるよ!!」とか

「スチュワ−デスって、なんで美人ばっかなんだ!!」なんて、

訳の分からない事に感激しまくってました。


そして、2時間程度で台湾に着くと、すでに台湾の会社の迎えが

来ていて、早くもそのまま観光に引っ張りまわされたんです。

はっきり言って、これは疲れます。

初めてずくしで まだ緊張が続いてるのに 一息つく暇もなく、

台湾の荒々しい交通事情に弄ばれるんですから(^^;;。


そして夜は「ボディコンお姉さん」のいるお店で接待を受けました。

そのあと、夜の台湾(吉原みたいな所)に社長達が出向くというので、

僕は一足先にホテルに送り込まれたんです(;_;)。

一人で高級ホテルでボ−ッとしてると、退屈ですが、

「危険だから一人で出歩くと、日本に帰れなくなるかもしれない」

って脅されてたので、遊びにもいけません。

そうなると、人間寝るしかないんです。

僕はしかたなく テレビをつけっぱなしでベッドに入りました。

しかし、実は高校生だった僕はすでに「お姉さんのいるお店」で

充分刺激を受けてたみたいで、興奮して寝付けません。

ベッドに入って1時間以上たった時、いきなり金縛り♪。

僕は

「体が疲れてるのに、頭がハッキリしてるから金縛りになったんだ!!」

っと、一生懸命自分を落ち着かせました。

でも、(足元の)テレビが見れる状態で金縛りになってたので、

「テレビに集中する事により 金縛りが解ける」っと、

勝手に解釈しテレビを見る事にしたんです。


すると、足の横でなんかモゾモゾ動いているのに気づきました。

「ドキッ」っとしましたが、もう手遅れ・・・

僕のベッドの足元の方から、人間の右手が生えてきたんです!

「ゲロゲロ(;_;)」

っと思っている僕を無視するように、さらに左手も生えてきました。

「もうやめて〜」

っと、声なき叫びをあげても無駄。

そのまま、まるで万歳をするように、一気にメガネをかけた

男の上半身がベッドの上に登場したのです!!。

僕は「やめろ〜!!!」と心の中で叫びますが彼には届きません。

彼は「ニッ」と笑い、上半身だけで「ズル、ズル」っと

足元の方から僕の顔に向かって、近寄り出しました!!。

その時、彼の後ろで付いてるテレビの笑い声が妙にムカつきましたが、

金縛り中なんでどうしようもありません。

「来るな〜〜〜(ToT)」

僕は最高出力のテレパシ−で彼に訴えましたが、それも無駄。

どんどん彼は「ズル、ズル」と僕の上を張ってきます。

彼が僕の胸の上まで来た時・・・・

僕は「そうだ、呼吸法だ!」と思いつき、

「ハ!」

と気合を込めて全身に喝を入れたんです。

すると、彼は一瞬で消えてしまい。

金縛りもきえました。

僕は、社長達が帰ってきてら、事情を話して部屋を変えてもらいました。

正直いって、男の顔が近づいて来る事ほど我慢できない事はありません。

女の霊なら良かったのに・・・・。


(霊が顔に寄ってくるの嫌なんではなく、

                 男の顔が寄ってくるのが嫌なんです(^^;;。)