新・あっちの世界ゾーン・第弐四夜「真夜中の銃火」
時田八雲さん談
どうもみなさん、初めまして。 あっちの世界ゾーン、新旧ともども読ませていただきました。 そこで、拙くはありますが、私の体験談を書かせていただきます。 これは、怪奇現象なのか、心理現象なのかわかりません。 単にイっちゃってる私の、幻覚なのかもしれません。 でも私自身は確かにアレを見ました。感じました。 それは1、2年前、高校の一年か二年の頃です。 私は自室のベッドで寝ていました。 枕の下の二丁の拳銃、 ワルサーPPKとS&Wボディーガードの心地よい感触を楽しみながら。 わたしはガンマニアでした。いえ現在もです。 もうこの世界にかかずらって10年になります。 こっちの方面でもイってたりします。そんなことはどうでもよろしい。 私は寝ていました。 ふっと目を覚ましたのです。 ドアの開く音が聞こえた気もしました。 眠い目をこすりつつ、首をひねって (私のベッドはドアの方に頭が向くようにおいてある)ドアの方を見ました。 部屋の中はほぼ真っ暗。 ドアの方には、女性と思われる影が。 その影が、いくら暗い部屋の中とはいえ真っ黒であることに疑問を持たず、 母だと思った私は「オカンか?」と尋ねました。 ・・・・・・・・ 影は沈黙のままです。答えません。気配すらもないのです。 私の背筋は凍りました。総毛逆立つ、とでも言うのでしょうか。 私は反射的に枕の下に手を伸ばし、装弾数で優るPPKをつかみ、 弾倉が空になるまで引き金を引き続けました。 10発を撃ち終えた私は、恐怖にひきつりながら、S&Wに持ち替え、 シリンダー内の5発を放ちました。 このときはもう、影の方を見ず、ベッドの枠から手を出し、 顔は伏せたままのめくら撃ちでした。 弾が壁に跳ね返り、部屋中に散らばりました。 S&Wを撃ち終えた私は、これも無意識のまま、弾倉を開け、 床に散らばっているBB弾を拾い、S&Wに詰め始めました。 ここで意識はとぎれるのです。 気がつくと、朝でした。手にはS&Wを握っています。 弾倉を開けて、残弾数を確認してみました。 5発きっちり、入っています。 (夢やったんかな。)と思いました。 ベッドから出て、念のため母に聞くと、私の部屋などには来ていないそうです。 やはり夢か、と思い、部屋に戻ってベッドに腰掛け、枕を上げると、PPKがあります。 何の気なしにPPKを手に取り、弾倉を出してみると・・・・・・ カラでした。 寝る前にはフル装弾だったはずの弾倉が・・・・ あれは夢だったのか? それとも無意識のうちにS&Wに弾を補充してから意識を失ったのか? 答えは未だ出ていません。 手がかりもありません。 カラになった、ワルサーPPKの弾倉をのぞいて・・・・・ |
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