あっちの世界ゾーン第参夜「血のソフト」

あだ氏談




 皆さんは、パソコンでゲームをされていますか?

 最近はやってますよねぇ。

 恐怖モノのゲームソフト。

 しかし、なかには本物もあるんですよ。

 「いわくつき」のゲームソフトが。

 開発中に事故が多発して幾度と無く発売が延びたとか、

 歴史上の人物を扱って「祟り」に見舞われたとか・・・。

 これは「本物の恐怖ゲームソフト」のお話です。



 今をさかのぼること10余年。

 まだパソコンが今ほど一般的でない頃、

 その筋では有名なソフトハウスが有りました。

 たしか、「ソフトスタ○オ・ウ○ング」と言ったと記憶しています。

 噂では、そのソフトハウスの裏手は大きな共同墓地で、

 モノホンの幽霊もしょっちゅう出没する、

 素敵な「心霊ソフトハウス」だったそうです。

 発売するゲームもそれはそれは個性的で、

 グリコ森永事件を扱った「モ○コ脅迫事件」。

 作者は気が触れているとしか考えられない

 サイキックホラー「○と●の伝説」などなど・・・。


 そんな「ウ○ング」がついにやってくれました!

 決定的な新作が発売されたのです!


 その名も「怨○戦記」。


 パッケージにはモノホンの「お札」が同封され、マニュアルには

 「プレイ中は同梱のお札を手元においておくように」と・・・。


 う〜ん、マニア心をくすぐるソフトだ(笑い)。


 僕の友人のHはホラー怪談系のゲームが大好きマニア!

 もちろん「ウ○ング」の新作を逃すはずが有りません。

 早速購入しプレイ!

 ・・・ゲームにのめり込むこと数時間。

 が、ある場面でゲームが止まってしまうのです。

 画面いっぱいにノイズのような物が・・・・・。

 ・・・何度やり直しても結果は同じ。

 またまたノイズが・・・・。

 とにかくメーカーのユーザーサポートにTELしょう。

 サポート先では、

 ユーザーから問い合わせが殺到しているようでした。

 電話に出た担当者は「チェックのため送り返して欲しい。」と、

 疲れた声でHに告げたそうです。

 数日後。

 チェックされたソフトが、送り返されてきました。

 同封のメーカーからの手紙には、

 「事象再現せず。念のため新品と交換します。」と・・・。

 う〜ん、おかしいな?

 機械の故障か?

 でもほかのソフトはちゃんと動いてる。

 ・・・不審に思いながらもHは交換されたソフトでプレイ再開!

 ・・・プレイすること数時間。

 また例の場面。

 ノイズ。

 前と全く同じところで止まってノイズ画面に。

 うーん、どうして?

 ・・・困り果ててノイズの画面を見つめるH。

 ・・・・・・?!

 なんと、単なるノイズと思っていた画面は!

 顔だ!

 それは、ゆがんだ人の顔が画面いっぱいに写っていたのだ。


 あああああ!なんてこった!


 怖くなったHはそのゲームソフトを返品したそうです。

 「ゆがんだ顔」が現れると書き添えて・・・。

 そして、彼は、その夜さらに恐ろしい体験をしたそうです。

 しかし、その先はどうあろうとも語ろうとしません。

 う〜ん、残念。

 噂ではそのソフト、

 初期出荷分の半数以上が初期不良で返品されたにも

 関わらずメーカーのチェックではほとんど問題ない

 製品だったそうです。


 数年後、なんとその「怨○戦記」がゲーム機に移植されました!

 その名も「怨○戦記」(笑)。

 ちなみにメーカーは「フ○コム」とかいったと思いますが、

 「ウ○ング」との関連は私にはわかりません。


 Hは懲りずに購入しました。

 さすがマニア!

 早速買ってきたソフトをプレイするH。

 ところが・・・・なんと、

 昔と全く同じ場面で全く同じ現象が起こるではありませんか!

 さすがに懲りたHは即売却したそうです。

 そのソフト、今でも秋葉原の中古屋にあるかもしれませんね。

 怨念を含んだまま。


 「・・・あれ?いま、アナタが遊んでるソフト、それってもしかして・・・」