あっちの世界ゾーン第五十夜「壁・・・」

信長波平さん談


私の友人の父親から聞いたはなしです。


仮に田中さんとしておきましょう。

田中さんは某テレビ局のプロデューサーです。

これは彼が30才の時の話です。

田中さんは30才の時結婚しました。

相手は当時のアイドル歌手(わかっちゃうかな?)

そしてその時彼女はすでに身重でした。


さすがに今の家では狭いので、早速家探しを始めました。

どうしても都内がよく、かといって金も無い.....!

あきらめかけていた時、やっと一軒みつけました。

駅から5分!日当たり良好!激安!なにより広い!

すぐさま契約をすると早速そこに移り住みました。

仲間は『怪しいよそこ......安すぎる....』といいましたが、ヒガミだと思い気にしませんでした。

ところが異変はすぐに始まったのです。


奥さんの具合が悪くなりました...。

毎晩血だらけの女が夢に出てくるというのです。

『気のせいだろ...』彼は相手にしませんでした。

しかし怪奇現象はエスカレートしてゆきました。


『洗濯してたら視界に女が立ってたの......そっち見たら消えてたけど...』

『疲れているんだよ...』

『でも、いつも誰かに見られているきがするの.....』


残業から帰ってきた田中さんに奥さんが泣きながら抱き着いてきたこともありました。

日に日にやせ細りっていく妻が心配になった彼は局の同僚に相談しました。

すると同僚は一人のマジシャンを紹介してくれました。

みなさん御存じのテンコウさんです。

とはいっても、今の女性の方ではなくその師匠のほうです。

彼は霊視能力があったそうです。(結構有名な話らしいけど....)

そして彼に相談すると一言


『引っ越しなさい!奥さんが見ているものは本物で、とても危険です。できるなら今日にでも.....』


田中さんは不安になり家に電話をかけました。


『あなた!すぐに帰ってきて!』

『どうしたんだ!?』

『いいから...早く!』


彼はいそいで帰宅しました。

すると奥さんは玄関の前で待っていました。


『どうしたんだ?』

『近所の奥さんにきいたの!この家自殺があったんだって....女の人が一人で住んでて、


御近所と付き合いもなかったから発見も遅れて.....それで..腐ってて...』


『おい!落ち着けよ、順をおって説明してくれ』

『男に裏切られたんだって...ノイローゼ−になって、それで手首を切って..


でもなかなか死ねなくて......のたうちまわって.....だから見つかった時は部屋中血だらけで......

血は拭いても落ちなかったから....床は張り替えて.......壁には...上からはり紙はっただけ.....

私こんな家いやよっ!!!』


田中さんはその話をきくやいなや、家に入り壁紙をはがしました......


...するとそこには......とまらないよ.....とまらないよ.......とまらないよ.........とめて...とめて....とまらないよ.....


と血で書いてあったそうです。


これは実話です。





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