★★★TA導入記念作品★★★

あっちの世界ゾーン第七夜「子供は池に吸い込まれて・・・」前編

vusen さん談




こんにちわ(^_^)

それでは「F荘事件」についてお話します(^^;;。

その民宿が僕らの間で「伝説」になったのは6年くらい前のことです。


僕はカブスカウト(ボ−イスカウトの小学生部門)のリ−ダ−として

富士の麓にある「F荘」という所に合宿に行きました。

その合宿の対象は小学生で子供30人くらい、

大人10人くらいで行われました。

まさか、あんな恐ろしい事が起きるなんて・・・。


ついた日は何の問題も起きず過ぎました。

荷物をしまうために押し入れをあけたら写真が出てきた以外は・・・。


その写真には、カブスカウトの制服をきた子供(1人)と

「F荘」の持ち主の夫婦が3人で写っていました。

その時は「あれ、あの御夫婦のお子さんもボ−イスカウトしてるのか。

・・・・でも、あの御夫婦って、この宿に住んでるのにお子さんを

見かけないのはなんでだろ?」

と少し不思議に思いましたが、それ以上の事は考えませんでした。

その日は初日という事もあり、バタバタと一日が終わりました。


2日目。

ハイキングに出かけました。

夏の暑い中、子供たちは1時間もしないうちにバテてしまいます。

途中、道端におばあさんが座っていました。

「 こんにちわ 、暑いですね 」と声をかけて通り過ぎると、

そのおばあさんは軽く微笑んで子供たちに

「がんばんな」と声をかてくれました。

その後は1本道。

1時間ほどでバ−ベキュウ場につきました。


が、なんと!


1時間前に見たあのおばあさんがすでにそこに座ってたのです。

まっすぐな一本道で、近道なんて出来ない。

まして、追い抜かれてもいません!!

「まさか」

と思い、もう一度良く見ましたが、間違えなくさっきのお婆さんです。

距離は20M程度ですから間違えるはずもありません。

するとお婆さんはゆっくり立ち上がり、歩き出しました。

「急いで確認しなくちゃ」

子供たちをおいて急いで走って行ったのですが・・・

しかし、そこには、バ−ベキュウ場には誰も居なかったのです。

僕が走りよるその2〜3秒の間にだだっ広いバ−ベキュウ場から

居なくなるなんて不可能としか思えません。

「もしかして幽霊」とも思いましたが、

正午の真っ昼間からそれは考えたくありません。

とりあえず、リ−ダ−は全員それを見てるので後からみんなで

「あれは何だったんだ」って相談した結果、とりあえず

「あのお婆さんは改造人間で加速装置が付いていたんだ」

って事で納得する事にしました。

名づけて

「マッハばば−」


しかし、今思うと「幽霊」よりそっちの方が非常識ですが、

まだ2日も泊まる場所で幽霊を認めることは

本能的に避けていたのかもしれません。


3日目。

夜に肝試しをしました。

その宿の真ん前に池とお稲荷が有り、

その脇にキャンプ場へつながる細い道があるんです。

その道は街灯なんてもちろん無く、林の中をつっきる状態なので、

肝試しには最高です。が、・・・

そこで第2の事件がおきたのです。


子供たちが無事に肝試しを終えたあと、一人の子供が

「リ−ダ−、落とし物拾った。」

とカブスカウトの帽子を私の所に持ってきたんです。

どこにあったか聞くと「木に引っかかっていた」とのこと。

その時は笑いながら

「誰だ、キャップを落としたのは〜」なんて言ってたんですがなんと、

全員ちゃんとキャップを被っているのです・・・。

「じゃあ、これだれの?」

・・・とりあえず宿に持ち帰りました。

そして明るい所でキャップの名前を見てみると

「*原」

・・・・そんな子はうちの隊にはいません。

「あああああ!まさか?」

思い出してはいけない事を思い出してしまい、

全身に鳥肌が立ちました。

そう、この宿にきた初日に見つけたあの写真です。

この宿の御夫婦と一人のカブスカウトが写っていたあの写真!

そういえば、あの御夫婦の名字は「*原」。


4日目。

私達は帰り際に林で拾ったキャップを宿の御夫婦にみせました。

すると、「あら、大事にしまっておいたのに、どうしてそんな所に

あったんでしょう、大事な息子のカタミなのに・・・・」


・・・・・二度とこの宿を使う事はあるまいと思いました。


ある日、

この話を他の団のリ−ダ−も集まってるとこではなしたら、

ある団のリ−ダ−が

「もしかして そこ、F荘ていう所じゃないか」って言ってきたんです。

何故知ってるのか聞きかえしてみたところ、

「去年ウチの隊も利用した」って事でした。

そして、その人の話を聞いてみたら、

うちなんかより凄い過激な体験をしていたのです。


                                ・・・・・・つづく