新・あっちの世界ゾーン・第八十壱夜「T陸上自衛隊基地 その三」
奥村紀子(真名)さん談
| T陸上自衛隊基地(以後T自衛隊)に配属されて3年。 とうとう兄克也くんにもいわくある部屋にあてられることになってしまいました。 肩書きが肩書きだけに、シャワーつきの部屋に行けることは当然なんですが、 まさか、「あっちの世界」の入り口だとは・・・ 知っていたくせに、知らん顔して、その部屋に行きました。 その部屋、かなり良い場所にあるのですが、すぐに住人が逃げ出すそうです。 そう、そこは霊道なのです。 しかも、自縛霊つき。 なんて素敵な部屋なのでしょう。 だからこそ、克也くんがその部屋にあてがれたのです。 上司曰く「克也くんのための部屋」だそうだ。 克也くんがその部屋に住み着いてからすぐ、自縛霊はいなくなりました。 そして、誰もがその部屋は大丈夫なのだろう、ということで、相部屋になりました。 しかし、誰も気付いていなかったのです。 克也くんは「あっちの世界」に慣れ親しみすぎていることを・・・・ 相部屋になって次の日、克也くん以外が女の自縛霊を見ました。 しかし、克也くんは気付かない・・・・というより、寝ている。 あまりのことに、全員で克也くんに霊の説得を頼みました。 普段はいじめられっこの克也くんは、にこにこと笑って引き受けました。 しかし、そこからが復讐の始まりだったとは、誰が気付くだろうか。 その日から自縛霊はいなくなりました。 しかし、霊は隣りの部屋で自縛霊となっていたのです。 隣りの住人はことあるごとに克也くんをいじめている方々でした。 そして、隣りには誰も寝ることはなくなり、自縛霊のプライドも保たれたということでした。 「あっちの世界」の住人見習いを怒らせると怖いですね。 しかも、自縛霊を懐柔するとは、なんて奴。 彼のような人間こそ、「こっちの世界」に復帰しなければならない。 なぜなら、被害が増大してしまうから。 兄よ、まともな人生を歩んでくれ。 隣りの住人さん、安らかに眠ってください。 |
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