あっちの世界ゾーン第九十弐夜「トイレにまつわるネタ」

夢 育美さん談


さて、伝言板に書いた通りに、ネタ投稿です。思い出した奴と、思いがけず社内で取材出来た新ネタです。

取材効果がやっとでて来た。 (^^;


今回は『トイレにまつわるネタ』二本です。


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vol.1 「道の駅」のトイレ


最近国道沿いなどに、「道の駅」っていう広いパーキングエリアを持った、

お土産屋さん集落ができてますよね?

夜中にそこのトイレに寄って、偶然「あっちの世界」に踏み込んでしまった会社の後輩の話です。


彼、N君は週末に埼玉のほうに遊びに行きます。

その日も夜遅くに、パジェロのロングバージョンを飛ばして、帰って来る最中でした。

帰り道なので当然一人です。

140号線を山梨に向けて走っていました。


ちょうど雁坂峠に差しかかる手前に、「道の駅」が見えて来ました。

トイレに行きたかった彼は、ちょうどいいとそこに寄る事にしました。

時刻は夜中の12時になるか、なら無いかだったそうです。

当然他には一台の車も止まっていません。

自販機の明かりを目安に、トイレのほうに向かいましたが、トイレの電気も消えていたそうです。

何となく嫌な気がしたものの、手探りで入り口を探すと、すぐにスイッチが見つかって電気が付きました。

ホッとして用をたし、手を洗って外に出ようとしました。

そこのトイレは観光地に良くある、入り口の扉が吹き抜けのタイプでは無くて、

バネで自動的に閉まる開き戸があったそうです。

つまり、電気を消してから扉を開けるまで、一瞬真っ暗になる訳ですね。


N君は電気を消してすぐに、扉を明けて出ようとしました。

取っ手に手を掛けて引こうとした瞬間、


『ドォーン!!』


というすごい音が真後ろでしたそうです。

真っ暗な闇の中で、自分以外は誰もいない筈のトイレの、扉が閉まっている個室トイレのほうから。


もう、音だけで驚いてしまって、すぐに飛び出して車に戻ったそうです。

その音はほんとうにタイミングを図ったように、電気を消した瞬間に鳴ったそうです。

個室トイレの扉を、勢いよく締めた時のような、誰かが内側から扉に思いっきり

ケリを入れたような、そんな音だったそうです...


車に戻っても暫くは鳥肌が立っていた、とN君は恐ろしそうに話してくれました。

彼は明るくてユーモアのある、真面目な青年です。

面白がってこんな嘘を言うタイプでは決してないので、スゴク真実味がありました。


そのトイレ、今度行ってみようと思います...マジ?...

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vol.2 トイレ改装のその訳は...


N君の話を聞いて思い出した話です。学生時代に、某エアコンと同じ名前で、冬はスキー場、

夏は高原観光で有名な場所で、夏の間アルバイトをしていました。

ゴミ拾いや、観光案内+αなどのお仕事です(謎)。


さて、とあるスキー用リフトの側に詰め所のような建物がありまして、普段はそこで生活していました。

問題のトイレは、そこから少し離れた公衆トイレで、朝の忙しい時などはよく利用していました。


4年目の時でしょうか、だいぶ旧くなっていたそのトイレは改装されました。

殆ど別なものといったくらいに現代風の綺麗なトイレになり、皆喜んだものです。

私たちは日に何度か、ゴミ拾いをしながら巡回します。定位置から離れているそのトイレも、

巡回の最後のほうで寄るので、用たしに使っていました。


そんなある日...その日に限って、トイレは満員で、二つある個室の左側しか空いていませんでした。

別に大きい方はしたくないけど、こっちでも構わないかと思い、その個室に入りました。


用をたして、さて出ようとした時、異変に気付きました。


扉が開かないんです。


その個室トイレは、珍しい事に外開きのトイレでした。

だから、開ける為には閂を外して外に押せばいいのです。

しかし、開かない。

全くビクともしなくて、開きそうな気配すらありません。


あれぇ?立て付けが悪かったかな?...と一瞬思いましたが、そんなばかな事ある筈がないのです。

だってそこは、殆ど毎朝利用しているのですから。

立てつけ悪かったら、自分たちでさっさと修理しちゃってます。

それに、外開きですから入る時に開ける必要があります。

当然その時には普通に抵抗無く開いたのです。


ここで、ははぁ〜ん、と思い付きました。

仲間の誰かか、遊びに来たOBがイタズラしてるんだろうな、と。

そこで、恥ずかしさを取っ払って、中から声をかけました。


「おーい、イタズラしてるのバレてるぞ〜。さっさとどけよぉ〜。」


しかし、一向に扉は開きません。

まるで、外から釘で打ち付けられたかの様に、ビクともしないのです。


...少し変に思いました。

誰かが思いっきり押さえつけているにしろ、私は内側からケリを入れていたんです。

何発も(爆)。

普通だったら、蹴った瞬間くらいはいったん少し開きますよね?

ところが、まるで壁を蹴ったような感覚なんです。


正直に恐くなりました。

だいたい、外に人がいれば扉をドンドンやっていれば、誰か気付きますよね?

しかし、耳をすましても人の気配がしません...


これはマジヤバいかぁ!?...焦りまくり、肩から体当たりしました。

普通の扉なら、これで蝶番くらい壊れると思います。

それくらい気合い入れて当たりました。

でも、開かないんです...


結局業を煮やした私は、扉の引き手を足がかりによじ登り、上から外に出ました。

当然、その時にはトイレに誰もいませんでした。

外に出てほっとした私は、意を決して扉に手をかけ、思いっきり引きました...


開きました。

それも思いっきりあっさりと。

当然です、鍵も何も掛かってないんですから。


その日以来、そのトイレの使用は極力避けました。

まかり間違っても、左の個室には入りませんでした。

私と同じ経験をした奴がいるかと聞いてみましたが、仲間の誰も、そんな事は無かったと言っていました。

もちろん、誰かのイタズラなんかじゃありませんでした。


翌年、就職した私は職場に近いこともあって、陣中見舞に行きました。

その時、すっかりそのトイレのことは忘れていたのですが、

なにげなく入った時に違和感を感じて、しばらくして気がつきました。


トイレの個室だけ、改装されてたんです。

扉は普通に良くある、うち開きのトイレになっていました。

左側だけでなく、両方とも変っていました。

それ以外、外見も小の方のトイレも、変った所は無いようでした。


冬の間に何かあったのでしょうか。

スキーシーズンには、頻繁に利用されるトイレだと思います。

きっと、何かあったんでしょうねぇ。でなけりゃ、わざわざ”新築”のトイレを改装したりしないでしょうから。


やっぱり、閉じ込められた人がいたんでしょうか。

それも真冬に...


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以上で今回のネタ終わりです。

あんまりあっちっぽく無かったかもしれませんね。

それにしても、今の今まで後半の話を忘れていたのは、何でかなぁ

...事故った時に記憶がトンだとか?(笑)

ではまた。長くてすみません...(;^^)





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