新・あっちの世界ゾーン・第九十七夜「地下に潜む魔物」
ミイラルゲさん談
| 私は霊感とかいうものはまるでないのですが、(金縛りはある) 一度だけこの世のものとはおもえない「存在」を体感しました。 タイトルはですねぇ〜・・・「地下に潜む魔物」とでもしますかね。(えらそうですいません) 2年程まえの話なんですが、私は日本橋のデザイン会社に勤務してました。 仕事柄、連日帰りは終電かタクシーという日々でした。 もよりの駅はJRの新日本橋駅です。 この駅は地下にあるのですが、なんとも中途半端な場所にあり、 しかも電車の本数が極端に少ないため、普通の地下鉄より乗り降りするひとはグッと少ないのです。 地下のホームには私一人だけなんてこともありました。 その日もいつものごとく0時過ぎの終電車を待っていました。 ホームのずっと向こうにちらちら人影が見えます。・・・と、 「きゅるる〜っ」ときました。 突然もよおしました。 「大」を。 電車まであと10分ぐらいあるので、私はトイレ(これがまた遠い)に向かいました。 誰もいないトイレの二つある「大」の片方にかけ込み、ふうっと一息。 用を足しながらボ〜ッと考え事をしていました。 すると突然 「ドォォォン!!」 背後のもう一つの大用トイレの中からこっちとの間の壁をおもいきり蹴ったような音がしました。 「なんだなんだァ〜!?」 なにかが上から落っこったのか、酔っ払いがいきなり駆け込んできたのか・・・ にしては外から入ってきた気配も、トイレの扉を開ける音もしませんでした。 ・・・シ〜ン しばしの沈黙。私は耳を澄ましていました。 ・・・ピチャピチャピチャ ・・・・! 何だ!?コイツ!? 酔っ払いが便器の水で手でも洗ってんのか? まさか飲んでるんじゃ・・・!? 誰かが(なにかが)いることは確実でした。 背後の密室のなかソイツが何をしてるのか私は黙って想像していました。 すると・・・ グルル・・・ 「・・・?」 ガルル!!ガルルルル! 「えぇ!?何!?」 そいつは唸り声をあげながらまわりの壁にドッカンドッカン体当たりしはじめたのです。 今おもうと不思議なのですがそんな状況下で、 怖がりな私が驚きはしたものの、さほど恐怖は感じませんでした。 そのときわたしの頭のなかには一つの言葉しかありませんでした。 「・・・・ライオンだ。」←(・・・。) 背後の見えない存在の大きさといい迫力といい、 ほんとにその言葉しかあてはまらない感じがしたんです。 バカっぽいですが。 すると「ダンッ」と音がして後ろのトイレの扉が開きました。 ゴクリ・・・。 そのときもあまり恐怖はなく、いったい何がでてくんのだ!? と耳をすましていました。 しばらくの沈黙のあと ヒタヒタヒタヒタヒタヒタッ 獣だとは想像してたのですが、思っていたよりずっと小さな(猫ぐらい)の足音で そいつはトイレから外のホームに走って行きました。 私はホームにでて考えましたが、野良猫? それにしちゃ・・・野良犬? 地下鉄のホームにぃ? 私は闇につながる地下のトンネルをみながら 「なにかがいるんだなぁ・・・。」 と変に納得しながら帰途につきました。 私は酔っ払ってもいませんでしたし、妄想でもありません。 でもなぜかこのはなしはあまり人にはなしたことはありません。 霊感のない私の唯一の不思議体験でした。 |
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