辛あっちの世界ゾ〜ン・第弐十五夜「動く像」
ニコニコトシチャンさん談
お久しぶりです。 公私に渡って、いろいろ忙しくしておりまして、ご無沙汰しておりました。 風魔レイさんの書き込みを読ませていただいて思いだした事が有りました。 これは友人から聞いた体験談です。 長岡市は、連合艦隊司令長官、山本五十六元帥の出身地と言う事も有り、 太平洋戦争において、米軍の空襲を受け多くの犠牲者を出した都市です。 原爆も長岡に投下される予定も有ったとも聞いております。 長岡市内に平潟神社と言う神社が有りますが、この神社には空襲のおり、 多くの犠牲者の遺体が運び込まれたとの事で、慰霊碑が建っております。 この慰霊碑にはその頂に鷲の像が有ります。 私の中学からの友人で児玉と言う男がおりますが、 彼は小学生の頃には長岡市に住んでおりました。 あるお盆の晩(小学校3年生の頃との事でした)に この平潟神社で行われた盆踊りを見物に行ったそうです。 盆踊りも終わった後、人気も無くなった境内に有った塔を何気なく 見ていると、その上に1羽の大きな鷲がとまっているのに気が付きました。 暗闇の中、目を凝らして見ると、その目は爛々と輝き、 羽毛は風にはためいており、ゆっくりと翼を羽ばたいていたとの事です。 児玉は、それまでその塔を良く見た事は無く、 鷲の像が載っている事も、ましてや慰霊塔である事も知りませんでした。 ただ、不思議に思い、近所の老人に聞くと、戦災で亡くなった人々の霊を 慰めるために建立された慰霊塔で、今までも、お盆の頃などに、 その様な現象を見る人が有ったとの事でした。 後で、改めて見に行くと、それはまったく、ただの像だったそうです。 児玉は、去年あたりまで放映されていた、幕末(明治初期か?)の頃を 題材にしたアニメの音楽監督(どの様な仕事かは私は知りませんが)を やっていたのですが、そのアニメの原作の漫画を描かれた方も、 長岡の方との事で、なにか因縁の様なものを感じました。 |
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