辛あっちの世界ゾ〜ン・第八十七夜「土地神サマ(ネタ編)」
からすさん談
やっと初ネタでございます。 みなさまの土地神サマのお話を読んでいて思い出したのですが、 私の実家のある大阪のことで、しばらく自活したことのあるところの近所に 谷町6丁目という地下鉄の駅がありまして、出たところすぐの交差点に、 大して広くもない道路の真中に川中島のように仕切られた一角がございます。 そこには大きな御神木とその根元に小さなお社がまつられているのです。 何を隠そう、この大木を切り倒そうとした人は皆即死といって良いほど ぽっくりと逝かれてしまうのだそうです。 TVの取材でも何度か取り上げられているのを見たことがありまして、 20年ばかり前に某新聞社(TVカメラマン?)の方が「切れないなんて、 そんなことがあるか!」とばかりに、チェーンソーで十センチばかり 切り込んだそのとき、ばったりと倒れてしまって、 そのままなくなったのだということです。 そのときの切り口らしきものがいまでも生々しく残っています。 近所の方のお話では、その大木には白い巳さんが住んでいらして、 今までも時々出入りが目撃されるのだそうです。 そんなわけで未だにその木は御神木として 道路の真中に鎮座ましましているというわけです。 しかし巳さん、そんな排ガスモクモクなところで煙たくはないのか、 などと思ってみたりするも、土地開発などは人間の都合なので、 大変気の毒にも思ったりいたします。 そして、私自身も遠目にしか確認したことはなく、子供心に よそサマの家のような感覚がありましたので、 実際に木の周りの柵より中に入ったことがありません。 きっと巳さんにも住みなれたその家に住みつづける権利があり、 そこには守り抜くだけの理由があるのだな、とおもっております。 |
戻る |