辛あっちの世界ゾ〜ン・第九十八夜「飛び込み自殺」
ぽんたさん談
いつも楽しく(恐ろしく)読ませていただいてます。 「あっち」「こっち」どっちに送っていいかわからなかったのでメールにしました。 私の親父は救急隊員として30年以上某東○消防庁に勤めております。 最近は偉くなったのか講議ばかりで現場に出ることは少なくなったみたいですが、 僕が小さい頃は明けで帰ってきては 晩飯時に吐き気のするような話をよくしてくれました。 そんな話の一つなので恐い話というより嫌な話って感じです。この話は。 もう20年以上も前のことです。親父の隊に出動命令が発令されました。 場所は京○線○○駅。飛び込み自殺ということでした。 救急車を降りた親父達の見たものは両腕、両足のなくなった女性でした。 すぐさま救急車にかつぎ込み無線で連絡を取り病院へと急ぎました。 女性は二の腕の途中からと膝の上からが 両方とも電車に轢かれてきれいになくなっていました。 その割に顔が非常に美しかったと親父は言っていました。 親父が担架の隣に座り助手席の部下と行き先の病院の確認などをしていると、 後ろの方で、ギシッ、ギシッと音がします。親父が振り返るとそこには…。 両足の肉の中から飛び出した骨を救急車の床に突き刺しながら (この頃の救急車の床は木でできていた) 「おじさん!助けてよ!!痛いよ!助けて!!」 と、泣きながら近付いてくる女性の姿があったのです。 その女性は病院に運ばれて間もなく亡くなったそうです。 「自殺して死にきれないや奴って、必ず助けてっていうんだよな〜」 親父は平気な顔をして晩飯を食っていました。 いくつものこんな話を聞いた中で一番印象に残っている親父の話です。 |
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