あっちの世界ゾ〜ン第四十壱夜「ユタについての知ってる限り」

てるるさん談


新作で沖縄のユタのことが書かれてあったので実家の田舎のことを思い出し、

多少知ってるユタのことを書こうかと思いました。

興味のない人はすっとばしてください。(^^;


私の田舎はいたこが多い場所です。

「いたこ」と言うより、ユタ神様(またはユタ、

またはイタ(これはいたこという意味だろうな))と呼ばれてます。


その昔「薩摩のユッタン」という魔女の血を引いた人が多く生息してた鹿児島なので、

(ユタの語源らしいです)そのせいでユタが多いのだと思います。

鹿児島を中心に九州に縦に広がってると思います。

沖縄のユタは有名ですが、鹿児島も多いんですよ。


そのユッタン一族の末裔の多くがユタと呼ばれる人達だと言われます。

ちなみにユタはすべて女性です。(だったかもしれない)

ユタの殆どは自宅に人を入れて「お告げ」をします。

その時、少量の米、酒、大豆など、

そして少しばかりのお布施(数千円程度)を納め、占ってもらいます。

もちろん、霊的なことも視てみもらえます。

私の田舎の人達はユタを大事にします。

宗教的な意味合いというよりも、そう、神社やお寺を奉るような感覚です。

数年に一度はユタに「お告げ」をしてもらうことがあります。

子供が生まれたとき、その子供のことを視てもらったり、

もしくは結婚、受験、仕事を興す時・・・etc。

神社にお参りに行く感覚でユタの所へ行きます。

親しみやすいので「ユタ神様」と呼ばず、

「ユタ」と呼び捨てる所が私は気に入ってますけどね。(^^)


ユタのお家は玄関の上の所にしめ縄に白い紙でできたもの

(お祓いの時に振り回す棒の先に束のように付いてるアレ)をかけてるので、

一目でユタのいる家はわかります。看板のようなものですね。

しかも温泉街の温泉宿のように隣り合わせでそういう家が乱立してたり、

お母さんがユタをやってる友達もたくさんいました。


中学の時はちょうど校舎の真裏にユタの家があり、授業中、ふっと窓の外を

見るとユタの家の中庭で、たぶん、お仕事風景だと思うが、霊媒というより

何やら怪しげな踊りを踊ってるのを目撃したり、白装束を干してる様子が伺えたり、

産みの苦しみに近い断末魔のような叫び声が教室まで響いたり、と、

今思うと変な町に住んでいたと思います。


やはりユタもピンキリで、当たる当たらないがあり、もっと田舎の方

(村ともいう)に行くと本格的で、的中率がぐっとアップするらしいです。

昔、NHKのドキュメントでユタを取り上げたことがありました。


母が私のことを視てもらった時のこと。

母は、「あんたは、この子のしたい事は

なんでもさせてあげなさいって言われたわよ。それだけ。」とのことだったらしい。

その心は?と何故母は問わなかったのか、それが残念です。

「それ、お告げというより子供の育て方なんじゃ・・・・」

たまひよクラブの常套句じゃねーか!!誤魔化されたな。母よ・・・・

ちなみに私のいとこの女の子の場合は、

「この子は将来ユタになれるから、悪いことして叱るときは叩かないで、

つねって叱りなさい。神様になれる子は叩いちゃいかんよ」

とのことだったらしい。

ナルホド、神様に手を振りかざすのはバチ当たりだもんなぁ。







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