あっちの世界ゾ〜ン第四十六夜「蜘蛛が嫌いになった理由」

零度さん談


初めまして。

友人と一緒にこのページを拝見していたんですが、

爆笑してたのって、もしかしてオイラだけでしょうか?

いやぁ、その手の体験があっても、

「屈折率が・・・。」とか、「夢や。」とか言ってる人間なんです。

そんなオイラが知っているこわい話。(長いんですが)

このページにあった登山話でちょっと思い出したこと。

オイラの学校では、夏の間に夜間登山をするんです。

クラスで、好きな者どうしで7人くらいのグループを作って、順番に登る。

オイラのグループは、後ろから何番目。しかも、かなりあっち系苦手な人多し。

出発。

みんな、緊張感と何となくな恐怖感、その他もろもろでめっちゃハイテンション。

ただやたらと喋りつつ、まだ前のグループが見えているので少し落ち着いていた。

しばらく行く。

ちょっと恐怖感増し気味。

面白がったオイラ。

期待に応えて(?)、懐中電灯で下から顔を照らしてみる。

予想以上にびびられ、泣かれ、怒られる。

懐中電灯を取り上げられかけたので、

「さすがに転落死は・・・・」と、大人しくしていようと誓う。

後に、この時、みんなの反応を試しておいて良かった。と、とことんに思うことになる。

さらに進んで、オイラのグループは最後尾と合流しかけていた。

もくもくとあるくメンバー。辺りは完璧な闇の中。

唐突に視界が開け、町の夜景が一望できるスポットに出る。

全員が疲れも忘れ、その夜景にはしゃいでいた。

この時、何かが意識に引っかかって、つい、後ろを振り返った。

最後尾はオイラ。先生達すらいないはず。

(なんか・・・・?)

振り向いたそこには何もなかった。

みんなもそろそろ移動の体制に入っている。

(よし!勘違いだ!)

向き直って歩き出そうとしたオイラは瞬時にして凍り付いた。

(・・・って、なんやねん、あれは !!)

オイラの視界の端っこに、確かに何かの影があった。

はっきりとは見ていない。

はっきり言って見たくない。

(でも、もしかしたら勘違いかもしれん。)

無理やり、それを直視してみる。

黒い物体。妙に小さい。

犬のようで、なんか不格好に頭が大きくて、ぼこぼこして・・・・足がいっぱい・・・?

オイラの視力は2.0。しかもネコ系。見ようとすれば、はっきり見えてしまう。

(うっきゃ〜〜〜 !!!! 嘘やん、嘘やん、やめてくれ〜〜〜〜 !!!!!)

それは、人の腕を蜘蛛の足のごとくはやした、胴から上だけの人だった。

そいつが足?を駆使して岩だらけの斜面を横切っていく。

(ぐ、グロイ。動くな!ッテ言うか、動かんといてくれ!!)

凍り付いているオイラに、メンバーが声をかけてくれた。

思わず、喋りかけた言葉を飲み込む。

まずい。ここで言ったら、パニックは間違いない。もしそうなれば・・・

「ちょっとボケがまわって・・・・。」

めっちゃ苦しい言い訳に蹴落とされかかる。

振り向いたそこに、あの物体はもういなかった。


あれがなんだったのかは知らない。知りたくもない。

この話は、結局誰にもしていない。もしすれば、パニックは必然だから。

だから、これは半分寝ながら歩いていたんだ。ということにしておく。

この時から、おいらは蜘蛛が大ッキライです。







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