あっちの世界ゾ〜ン・第八十五夜「信じてないのに」

にきさん談


さて、前回のカキコで「実家の親族は霊体験はないといっているが、

一回だけそれらしいことがある」と書きましたが、今回はその話を紹介します。

#ちなみに、私の話はそんなに怖くないものが多いです。

#みなさんのにくらべるとジャブみたいな感じ。

今回ももちろん「実話」です。


「信じてないのに」


これは私が高校3年生の卒業間近の時の話です。

すでに進路は決まっており、割合のんびりとすごしていました。

ここで家族の説明をいたしますと、当時私は両親、

および母方の祖父母といっしょにくらしておりました。

兄は予備校に通うため、1年間大阪の寮に入っている最中でした。

また父方の祖父母は家から500mほど離れた場所に、

叔父(父の弟)家族と一緒にくらしておりました。

そして父方の祖父は体を壊して入院しておりました。


ある日の昼過ぎだったと思います。

学校で友人と話していると、先生から呼ばれました。

「すぐに家に帰りなさい。おじいさんが亡くなられたそうだ。」

寝耳に水の私は、びっくりしてすぐに家に帰り、

それから父方の祖父の家に向かいました。


どうやら祖父は癌だったらしく、父やその兄弟以外には内緒だったみたいです。

祖母のことを気遣ってのことでした。

母「おじいちゃんが亡くなったこと、大阪のお兄ちゃんには内緒にしてるから。

まだ試験が終わってないし、余計な心配させたくないから。」

私ももっともだと思いました。


祖父母の家では、訪れる親族へ御茶をだしたり、小さい子供の世話をしました。

少し落ち着いてきたので、一度自分の家に帰りました。


もう20:00頃で、あたりはすっかり暗くなっていました。

ただいまーと玄関をあけると、玄関すぐ近くにある祖父母(母方)

の部屋がガラリと空き、祖母が青い顔をして出てきました。


私「ただいま。どしたの?」

祖母「・・・今電話があったのよ。」

私「電話?誰から?」

祖母「お兄ちゃんから。」

私「ありゃりゃ。めずらしいね。普段はめったに電話なんかしてこないのに。

で、なんて言ってたの?」

祖母「・・・じいちゃんになにかなかったか って。」

私「・・・!」

祖母「私、びっくりしちゃって・・・」


そうです。兄には内緒にしていたのに、

兄は祖父のことをなぜか気づいていたのでした。


ちなみに、私の家族はこの手の心霊体験はほとんどないようで、兄も同様でした。

たまに私が怖い体験をすると、

逆に怒るくらいでした(単に怖かっただけかもしれないけど)。

その兄がそんな電話をしてくるとは思ってもみなかったのです。


後日、実家に戻ってきた兄に

「あの時、なんで電話してきたの?なぜじいちゃんのことがわかったの?

兄貴は心霊体験なんて信じてないのに」

と聞いても、少し笑った顔を見せるだけで何も話しません。

やはり何かあったのは確かだと思いますが、

本人が話したがらないので私もそれ以上は聞きませんでした。


少し怖いけど少し涙の出る体験でした。

それではまた。






やじるし指
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