沁あっちの世界ゾ〜ン・第九十参夜「私がいなりずし嫌いになった理由」
SUZUQさん談
豊○稲荷。 皆さんご存じの日本最大手(?)稲荷神社です。 私の実家はこの近くにありまして、初詣やら七五三やらでずいぶんお世話になりました。 ただし、8歳の頃まで。 以後プッツリと訪れていません。 もちろん、実家がモ○○ン教や天○教に宗旨がえしたわけではなく・・・ 小学生になって初めて迎えた正月、この豊○稲荷へ家族揃って初詣に出かけました。 ゴッタがえす群衆の中で自分が妙にハイテンションだったことを覚えています。 まあ、子供にとってはお祭りのようなもんですからね。 境内の一画にお稲荷さんの石像があります。 石像をこすり、そこからこぼれ落ちる粉末を持って帰ると御利益があると言われていました。 テンションが最高潮に達していた私は、お稲荷さんにまたがると、 バチ当たりにも手に持った石でその鼻面をガッガッと思いきり削り取りました。 もちろん、そんな暴力的な方法で粉末を持っていく参拝客などいません。 足元を遠慮がちにこするのが暗黙のルールです。 当然、両親に取り押さえられましたが、 信仰心もへったくれもないガキのこと、悪びれる様子もなく境内を後にしたのでした。 その日の夕方、従兄弟の家で両親共々ご馳走になり、 お年玉ももらった私は、上機嫌で家路に向かいました。 県道に続く急な下り坂にさしかかった頃、両手をポケットに 突っ込んだまま歩いていた私の足元を、一匹の猫が横切りました。 思わず前のめりになった私は、ポケットから手を出す間もなく、 見事に顔面スライディングを決めてしまいました。 私は鼻面と唇をアスファルトで思いきり削られたまま、 脳震盪で(と両親からは聞きました)気絶しました。 憶えているのはそれだけです。 あんまり怖くない話ですみません。 ただ、それ以来、家族で豊○稲荷へ出かけなくなってしまったことが腑に落ちないのです。 ウチの親は、どちらかと言えばタタリだの霊だのといった話を本気にしないタイプです。 偶然、息子がお稲荷さんと同じように 怪我したぐらいのことがそんなにショックだったのか・・・ それに、その頃の自分の記憶がボコっと抜け落ちているのも気になります。 数年前、帰省した折りに父親に 「何でお稲荷さん行くのやめたの?」と軽く聞いたのですが、 「うん・・・まあ・・・ゴニョゴニョゴニョ・・・・」 と誤魔化されてしまいました。 私の知らない、もっと怖い体験を両親がしたのか。 彼らがボケて記憶がなくなる前に、何とか真相を問いただしたいと思ってます。 |
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