あっちの世界ゾ〜ン第十夜「ペットは檻に入れましょう!」

愛栄堂さん談


皆さんの家は、何造ですか?


私の家は、ボロい木造2階建なんですが、

物心付いた頃には、柱が ミシミシッ!と云っていたような。

木造の家は、柱が 軋んで、音が するのが普通だと 思っていた。


それが ある時、

高校時代の夏休み、家でゴロゴロしながら「笑っていいとも」見てたらタモリが、

「軋んで音がするのは、ラップ現象」と言っていた。

「そんなもん、あるかよ!」とTVに突っ込むと、

「ビシッ!ビシッ!ビシッ!」と柱が鳴りだす。


「こわぁ〜」と思うが、

考えてみたら、何時ものことである。

「木造なら、鳴るんちゃうの?」


「ラップ現象」と「木造特有の軋み」両方ありだなと。


時は流れて、

私は、東京板橋区の木造ボロアパートに3年住んでいた。

古かったので、いろいろあるかと 思ったのだが、大したことは起こらず。

家(実家)に戻り、

久々に私を歓迎するような

「ビシッビシッビシッビシッビシッ!」という激しい軋み音を聞いて、

「ラップ現象か、懐かしいな」

よく考えたら、アパート(私と同年、築26年目)では、

ただの一度も 激しい軋み音は なかった。

戻って、暫くした頃。

私の部屋は2階にあり、洋間の変形4畳半(長方形)。南北が長く、北にドア、

南・西に窓。ベットは 西南東の壁に着いて、頭は西向き。

ある夜、何かの気配で目覚める。

何かが 「ズルずるズル」と這っている。音がする。

耳を澄ますと、頭の左側、南の壁の中から音がする。

私の家はボロく、私の部屋の壁は「太鼓状」(外壁がトタン、中が空中、

内壁が化粧板(ベニヤ)で、冬寒く、夏暑い 最高の条件。

凄く怖いのだが、

「ネズミを追いかけて、でかい蛇が登ってきたことにしよう。」

壁を叩くと、じっとしてるのか、消えた。

その後、何も起きなかった。

翌日、母親に

「まだこの辺りは、ネズミとか蛇出る?」

「最近は、ネズミも見ない。」

深く考えないことにしょう。


月日は流れ、今年の始め頃か(記憶が定かでない)。

夜中に気配で、目覚める。

今夜は、足元(東の壁の中)から、「ズルずるズル」と音が。

「またか」

否、この間に 私の部屋は改装して、壁の中は空中ではなく、

断熱材が 一杯詰まってるはずである(手抜きされてなければ)。

音は、段々大きくなる。

それと 同時に、ラップ音が。一度だけなら、木の軋み。

しかし、連続。そのうち、南窓(サッシ)が

「ビシッビシッビシッビシッビシッ!」鳴り出す。


ちょうど、「あっちの世界」を読破した頃だったと思う。

最初、壁から何かが 出て来るのか とびびっていたが、

人が 折角寝てたのに、起こし、おまけに「ビシッビシッ!」騒ぎやがって、

だんだん腹立って来て、

「煩いんじゃボケ!」と怒鳴り枕を投げ付けると、

気配&音&ラップ音は、ピタッと消える。


私は、見えない人だが、

まるで アナコンダのような 大蛇 が壁の中を這ってるような迫力であった。

もし仮に、アナコンダが這っていたとしましょう(笑)。

しかし、物理的に 無理なんですよね。

でも、見える人には、出て来てた何かが、見えていたのだろうか。

金縛り状態でも なんでも なかった。


しばらくして、

彼女に話すと

「あの部屋、そんなことあるの?早く言ってよ!怖いの嫌いだもん。」

こいつが原因で 別れた。

そんなことないか(笑)。





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