あっちの世界ゾ〜ン第十壱夜「怖い場所なんて」

エセイタ子さん談


仕事の関係で、友人の元先輩に会うことになりました。

その人(A氏としておきましょうか)は現在は

飲み屋さんで働く男の人で、本当に見えてしまうらしいです。

「記事を書かなくてはならないので、怖い場所を教えてください」

とA氏に頼んだのですが、「怖い場所なんてない」と言い張ります。

「怖い場所なんて、全部怖い場所じゃないの?」

見える人だけに言える言葉なんでしょうか。

「霊なんてそこらじゅうにいるよ」と言います。

「ここの店にだってさっきから…」と目を空中に泳がせるので、

「言わなくていい。言わなくていいですから、過去の怖い話を教えて下さい。

過去の話」とビクビクしながら頼みました。

「そういや、こんな話を聞いたな。

日中**町の大通りの交差点を歩いていると、

一人の男に目が止まったんだ。なんてことないフツーのサラリーマン風の

男だったんだけれど、よく見てみるとその男には影がない。

時計を見ながら、どこかにいそいでいる感じだったんだけれどね。

おかしいなと思ったら、その男が通りすぎる時、

“よくわかったな”と笑いかけたんだそうだよ」

寒い…。

「怖い話、怖い話ってさっきから聞きたがっているけど、あんたにも見える

はずだよ。そういう目をしてるから。あとは訓練次第。」

かんべんして欲しいです(笑)。

いくら話題が豊富になるからといって、そんなモン見たくないです。

出てきても、仕事手伝ってくれるとか、

暑い時にジュース買ってきてくれるとかしてくれるんならいいけど…。

しかし、霊ってなんなんでしょうか?

人間脅かした分だけ、霊界でごほうびでももらえるんでしょうかね?

よくわかんない…。





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