あっちの世界ゾ〜ン第十八夜「幽霊っているの?」

春頭さん談


初めまして、ここは初めてカキコさせていただきます。

私は昔から心霊現象が起こるといわれる場所に縁が深くて何度か不思議な体験をしてきました。

曽祖父が祈祷師だったせいもあるのか兄もよくいろんなものをみたりしておりました。

でもですね、数年前に縁あって葬儀社に勤めたのですよ。

そこで毎日、毎日死体と向き合う日々を過ごしまして、???って思うようになってきました。

交通事故で死んだ人を他県まで夜通し寝台車で送った事も何度もあります。

なれというものは怖いもので死体をつんだままコンビニへ寄って

パンとコーヒーを飲み食いしながら走っても平気になるんですよ(笑)。

腐乱死体だとさすがに食欲なくなるけどね。

でもそうやって死体と一緒に宿直した事も何度もあるけど幽霊が出た事はあまりないです。

本当にいるのかなあってちょっと懐疑的になってます。そんな私が昔経験したお話を少し。


大学生の頃父がプレゼントしてくれた新古車の話です。

それまでぼろぼろの車に乗っていた私はうれしくて通学にドライブに走りまくりました。

でも、未だ発売されて数ヶ月で走行距離も1000キロ弱でなんで手放したのか謎でした。

タイヤはアドバン、ホイールも高価なタイプ。オプションでウィングやら

フルスモークやら前の持ち主はえらい気合いれて大切にしていた様子なのです。

それがなぜ?と少しは思ってました。最初に異変に気づいたのは父でした。

父は頑固一徹、ロケットが飛ぶ時代に幽霊なんかおるか!というタイプの人です。

その父に「お前、いつも隣に乗せてる女の子は彼女なんか?」と聞かれました。

自慢じゃないがその頃フリーの私は

「そんなんおらん、おらん。」と軽くあしらい気にもとめませんでした。

次は親戚のお姉さんでした。

「あの髪の長い子どこの子?可愛いやん、いつ作ったの?彼女。」

と聞かれてちょっと変だな?

と思うようになりました。さらに友人達からも「通学に女を連れてくるとは何事か?

朝帰りか?どこの誰だ!?」としつこく聞かれこれはちょっとやばいんでないか、

それともみんなのどっきりか?と悩みました。

ある日父の運転する車とすれ違ったとき父が

ちょっとはにかんで軽く会釈をしたのにはびびりました。

「なんで息子に頭さげるんや!」

と聞くと

「あほぉ〜隣の彼女が頭下げたからわしも挨拶したんじゃ!」だと・・・。

全くその車に女性を乗せたことは一度もなかったんですがね・・・。

で、気になってその車をよく調べてみるとフロントにちょっと傷がある。

ウィンカーもひびが入っている。

なによりラジエターのところに赤黒い血のような跡が残っていた。

でも私は「にゃんこでもはねよったか、前の持ち主は。」と思う程度でした。

で、傷も全て直してきれいにスチームで洗車してもらって気分一新乗り始めたその日、

校内の駐車場から出ようとして教員の奥さんをはねちゃいました。

自転車でよろよろ出てきたところを出会い頭に・・・。

幸いスピードが出てなかったせいで無傷だったんですが

私の車は、修理したところと同じところに同じような傷が残りました。

それからも何度も友人から私の隣に乗る女について聞かされましたが、

髪が長くて美人だということしかわかりませんでした。

きっと私には見えないのだろうと思ってあきらめたんですよ。

それからしばらくして彼女もできて

幽霊らしき女の話も忘れかけた頃父や友人に言われました。


「ほら、やっぱりその子じゃないか・・・。」


全くひねりもオチもなくてすみません。

事実なので小説よりもつまんないですね(笑)。

でもみんな口をそろえて僕の彼女を見て「間違いなくこの子だ!」と断言してました。

でも、その子はみんなが目撃していた頃は

まだ高校生で学校に行っていたからありえないんですよね。

僕と昼間から車に乗っているってのは。

ちなみに僕は家庭教師に行っていた頃その車を公園に止めていたんですよ。

で、夜中に帰ろうと思って車に戻るとおっさんが助手席に乗っていた。

「おっさん!なにしんねん!ぼけか!!」とどなるとおっさんどっかに行きました。

で、車に乗ってロックをしようとするとロックはちゃんとされたまま。

おっさんどっから乗って、どっから降りよったんや?と不思議な気持ちになり

家庭教師先のお父さんに言うと笑いながら

「ははは、あそこは昔死体置き場やったからなあ・・・。」

と教えてくれました。まあ私も気にせずそこに止め続けましたけどね。

ひょっとしたら私は幽霊を見ても幽霊と思わないから平気なのかな?とか思っています。

長文失礼しました。





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