侵あっちの世界ゾ〜ン・第四十壱夜「人面犬ではないけれど」
億の細道の住人さん談
今朝、会社に行くために畑の畦道を歩いていると、向こうから犬がやって来た。 犬は散歩の途中で、綱を外してもらい一人でとっとことっとこ歩いていた。 犬の10メートルくらい後ろに、飼い主のおっちゃんがぷらぷらと歩いていた。 億の細道は犬が好きなので、傍に来たらなでてやろうと思い歩いていくと、 億の細道に気付いた犬は一瞬ぎょっとしたように立ち止まり、 あわてて飼い主の元に駆け戻ってしまった。 「ちょおおおおおおおおおおおおおおおおおおお失礼な犬。」 と、その時は思ったが、あの時犬には億の細道の後ろに何か見えたのかも知れない。 何故なら、億の細道とすれ違うまで、飼い主の傍に隠れるようにしていたんだから。 一体何が見えたんだろう・・・ |
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