侵あっちの世界ゾ〜ン・第四十参夜「迷い込んだ」
白兎さん談
時は私が高校生の頃、所はFという地方都市、時間は最終の夜行列車がF駅到着後 しばらくして当時寮生だった私は土曜日に帰省し日曜の最終の夜行列車でF市へ もっともこの後は寮に戻らず悪友の下宿へ、寮に戻るのは月曜の朝、これが間違いの 始まりであるとはこの時は夢にも思わず、最終の夜行列車がF駅に到着するのは 11時30分くらい悪友の下宿まで普通は駅から15分ほど、しかしなぜかこの時は 間違えるはずのない道を間違えあっちウロウロこっちウロウロ、ようやっと見覚えのある 十字路に辿り着いたのはだいぶたってからはるか正面には日本海に流れ込む一級河川の堤防、 左側はその川の支流の堤防、合流付近の堤防下にはお墓、ここまでは知ってる景色 しかしなぜか十字路を越えた右側は見覚えのない古びた煉瓦の壁がズーと続いている しかもその壁沿いの道だけはオレンジ色の街灯がやけに明るく道だけを照らしている 「???何か変や」そう、後からよーく考えると確かにおかしい 道と壁はオレンジ色にやたら明るい(ちょうどトンネルの照明みたいな感じ) しかし道沿いの堤防とお墓にはその光がまったくあたっていない ただ月明かりで見えるだけ だが見覚えのある場所に着いた私は「???何か変や」より「ラッキー、このまま 堤防沿いに行けば直ぐやんけ」がまさっておりそのまま十字路を越えテクテク十字路を 越え200mも歩いたであろうか、オレンジ色にやけに明るい 「んっ???」正面左のお墓と左側の堤防は月明かりで見える、しかし真正面の 堤防が見えないオレンジの光の先はただ真っ暗け、この時初めて 「やばいんちゃうやろか?」と足を止める 次の瞬間真っ暗けの中から何か巨大な物、まるで津波のようなものが突然出てきて 猛烈なスピードでこちらに向かってくる、まさに目に見えぬ津波 「♂♀¥*☆◎∀♪」パニクリながらも回れ右、ダッーシュ! 走れ白兎、ワニに負けるな! あと少しで十字路、向こうは見える、直ぐ後ろは謎の津波 一瞬冷たい物が背中に、しかしゴールイン なんと十字路を越えたとたん後ろから迫り来る物は消えた? 「はーはー、ぜーぜー??」後ろを見る勇気は無いが確かにもう大丈夫 とにかく悪友の下宿に行こう、他の道で 後ろを見る事なく一路悪友の下宿へ、今度は道を間違える事もなくすんなりと到着 翌朝、昨夜の事を確認すべく悪友達と昨夜の場所へ 「ありっ?」煉瓦の壁が無い、ただの空き地??? 昨夜の出来事はなんやったんやろ??? 悪友達の白い視線が痛い 後日談、師匠にこの時の事を話したところ「あっち」と「こっち」の狭間に入り込んだとの事 そして気付いたのが早かったおかげで「こっち」に戻れたらしく、あと半歩遅れてたら・・・ みなさんもきおつけましょう、ツルカメツルカメ |
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