侵あっちの世界ゾ〜ン・第四十四夜「仮面ライダーの夢」
ZEROさん談
はじめまして。友人にここ教わって即の初投稿です。 ぼく怪談好きなんですよー(;_; ぼくも何度か体験しましたが、怖いと思ったのは一つだけです。 −−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−− もう20年以上前の話です。 生まれは埼玉なんですが、幼稚園卒業間際に栃木に引っ越してきました。 家は新築で2階建て。2階の間取りは階段から父と母の寝る8畳間。 4畳のリビング(狭い(^^;)と私と姉が寝る6畳間は木戸一枚で繋がってました。 そして4畳のリビングには鉄製の非常階段が庭へと続いていました。 2段ベッドの上に姉、ぼくは下に寝ていました。 そして問題のリビングとぼく等の部屋を遮る木戸は、その日開けっぱなしだったのです。 ぼくは夢を見ていました (今思うに夢を見ていたと言う時点で浅い眠りだったのでしょう) 見ていた夢は今でもはっきり覚えています。「仮面ライダー」の夢でした(笑) 若い人はさっぱりでしょうが(^^; 夢の設定はこうです。 僕は夢の中で喫茶店アミーゴの店長でした。俗に言う「おやっさん」です。 そしておやっさん(私)は暗いアミーゴの2階で 布団に入って寝ているのですが目は開けたまま。 時折一階へ通じる階段の入り口を振り返ります。 「・・・・・コーン・・・・・コーン・・・」 周囲には5.6人の子供達が静かに寝息を立ててます。 彼らは「少年仮面ライダー隊」の子供達です(笑) おやっさん(私)はとても心配で眠れないのでした。 もうかなり遅い時間帯なのに、ライダー隊の一人の少年が帰ってこないのです。 何か有ったのか・・・ 「・・コーン・・コーン・・コーン・・」 ふと気が付きましたが。音がします。甲高い金属を叩くような音。 耳をそばだてるとその聞こえる間隔が次第に狭く、そして大きくなってきます。 (あ・・・***(少年の名前、忘れた)の奴帰ってきたのか?) 「・コーン、コーン、コーン、」 音はすぐ近くまで迫ってます。おやっさん(私)は再び階段を振り返ります。 「コーン!」 「***、帰って来たのか!?」 おやっさんは上半身だけ起こして階段を凝視しました。 「!!」 そして現実です。 ぼくは夢の中のおやっさんの飛び起きるのと同時に起きあがっていました。 そして瞬時に事態を把握したのです。 夢の中で聞こえていた音はどうやら現実に聞こえていたみたいです。 上半身だけ起きあがった僕は、戸の開け放たれたリビングに顔を向けています。 しかし目は閉じたままです。というか目を開く勇気が無かったのです。 あの甲高い音は足音のようでした。 僕がいきなり起きあがったのと同時にその音がピタリと止んだのです。 距離にして3−4メートルリビングにいるその「何か」は確実に僕を見つめています。 もう既にぼくは起きています。 金縛りでは有りませんが、あまりの恐怖に身動きが取れません。 しばしの沈黙の後、 「**ゆめのよう****、あなたとふたりいいい・・・」(*部聞き取れず) 女の声でした。30−40代位の声。 エコーがかかってるかのように太く重みのある響きでした。 ぼくは心臓バックンバックンでパニック寸前っす。 もう完璧に目を開く気は有りません。怖すぎます。 そして数秒の沈黙の後、再び「コーン、コーン、」と言う足音(?)が始まりました。 そして来たときと同じようにそれは小さく、 まるで離れて行くかのように、やがて聞こえなくなりました。 おそるおそるぼくは目を開きます。 室内は小さな朱色の豆球でぼやっと浮かび上がります。 開け放たれた木戸。リビングには闇。 何も居ません。 もう、無我夢中で飛び起きて母親の部屋に突入しました。 ぼくは泣きながら事情を説明するのですが、 寝ぼけ眼の母は「何この子は?」って感じで取り合ってくれません。 どうにかその夜は一緒に寝かせてと懇願し、ぼくは母の布団に潜り込みました。 寝る寸前に時計を見ると、午前2時30分を回っていました。 −−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−− ・・・怖くない?(^^; でも怖かったっすよ。あの時の声は今も耳にこびりついて離れません。 怪談好きの今となっては「なんであの時目を開かなかったのか?」が 惜しくてたまりませんが・・・ ちなみにリビングから外の非常階段に通じるドアは鍵がかかってました。 (長文失礼(^^;) |
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