侵あっちの世界ゾ〜ン・第五十夜「金縛りと白い男」
ZEROさん談
12.3年前ですが、 専門学校に通う私は金町と言うところに姉と住んでいた時期がありました。 駅から20分ほどの所に有るアパートで、 2LDKで家賃の割にかなり良いアパートでした。 さて、当時慣れない上京しての生活の中で多少の疲れを感じていた私は このアパートで「金縛り」なるものを何度も経験してしまいました。 大日*印刷の手軽だけど超過酷(笑)なバイトから帰宅すると、 決まって体は動かないのに目が覚めてるって状態が起こります。 別に幽霊を見るわけでもなく、 「ああ、これが金縛りなんだな・・」と生理的なものと決めつけていたのです。 ある日の土曜日の事。 学校から帰宅した私はどうしようもない睡魔に襲われて横になる事にしました。 しかし当時放映の毎週楽しみにしていたガンダム(Z?)を見逃したくは有りません(笑) しっかりとVTRの予約を済ませ、座布団を折り畳んで床に寝転がったのでした。 しばらくして、VTRの録画が始まる「ガチャ、ウイィィィィン・・」 と言う音でふと目が覚めてしまいました。 (ああ、始まったんか・・)と虚ろな気分で再び寝直そうと思った直後です。 なんといきなり信じられない物が視界に入ったのです。 男が居ました。 部屋からキッチンへ通じるガラス戸は60センチほど開いていたのですが、 そこの柱にもたれかかるように、上下真っ白な服装の男が、 丁度私の足先2メートル辺りの所に後ろ向きで立っているのです。 (何だよ人の家に勝手に・・・)と怒りも恐怖も感じない程に眠かった私は 取りあえず起きようと・・・・・・・・・・・・起きられません。 この時初めて睡魔が吹っ飛び恐怖がわき起こってきました。 金縛りです。 しかも、どうやら今度は幽霊が出てきてしまったようです(^^; しばらくは何とか抵抗しようと試みたのですが、腕も足もまるで何か とてつもない力で押さえつけられているかのようにピクリともしません。 顔や背中は冷や汗がだらだらでもの凄く気持ち悪い。 その間ずっと目の前に居る男から目を背けようにも動けず、 ・・・しかし男はそこにただ後ろ向きで立っているだけで、何もしてこないのです。 次第に恐怖感の薄れて来た私は、色々とその男を観察することにしました。 背丈は180前後、多少太めのがっちりした体格です。 そして短髪の黒髪、その頭部は耳まではっきりと見て取れるのに、 何故か全身白い体の輪郭はぼやけてはっきりと見極めることが出来ません。 そして妙な点に気が付きました。 男の背中に何かぼやっと浮かび上がってくるのです。 目を凝らしてみると・・ 数字のようでした。 30か・・31か・・なんかうにうにと形を変えている感じでよく読みとれないのですが・・ (・・・野球のユニフォーム?) 全時間は丁度30分でした。 私が当時所有していた東*のVTRは動作時にとんでもない大きい音がするのですが、 ガンダムの録画が終了すると同時に「ガチャっ!」っと甲高い音がした瞬間。 男はすーっとまるで遠ざかるように消えてしまったのです。 その後はすぐに体が動くようになりました。 なんとも奇妙な出来事でした。しかし、恐怖感はさほど感じなかったです。 しかしその後帰宅した姉に一部始終を話すと、異常に怖がった姉はそれまで 別々の部屋に寝ていたのですが、 しばらく私の部屋で無理矢理一緒に寝るようになってしまいました(^^; |
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