あっちの世界ゾ〜ン第五十弐夜「夜中の高速で見たもの」

仕事中毒さん談


こんにちは。はじめまして、仕事中毒と申します。

時折、ここに見に来ています。書き込みは始めてですが宜しくお願いします。

さて、あまり怖くはないのですが私の経験した話をカキコしますので見てください。

かなり昔の話になりますが、1992年の正月頃の出来事です。

当時私はあるきっかけで、当時はまだ珍しかったスノーボードにはまってしまいました。

91年のシーズンからやり始め、秋になると道具を一式揃えて、92年のシーズンが

始まったら毎週行ってやるぜと一人で気合入りまくりでした。(若かった・・・)

さて、当時はまだ無名だったこのスポーツ、

滑走を許可してくれるスキー場が異常に少なかった時代です。

その中で福島県の猪苗代湖から磐梯山の近辺には、比較的理解のある

スキー場が多くシーズン前の下調べ段階から注目しておりました。

その中でもまだ本当に珍しいスノボ・スクールを開講していた、

○○テルというスキー場に行くことにしたのです。

あれは忘れもしない1月2日の夜中、日付からいったら3日の夜中2時頃でした。

一人寂しく車を運転して(当時はトヨタのチェイサー)、

夜中の高速をリ○○ル目指して走っておりました。

東北縦貫自動車道から磐越自動車道に道が変わると、

夜中ということもあり、また交通量が激減するので道が凍結し始めました。

なんだよこの道高速のくせしやがって、などと思いながら前後に誰も

走っていない高速道路を、びびりながらも注意しながら運転しておりました。

この頃は雪道運転シロートだったんですねー。

しかし、今年中にスノボ極めるぜいと気合入れていた私は、

ステレオで音楽かけまくり一人真夜中ハイテンション。

凍結路面なんざ怖くねぇーや、と構わず走っていました。(つくづく若かった・・・)

さて、高速道路とは言ってもこのくらい地方まで来ると、通常は照明を消したら真っ暗闇です。

時折、ぽつんと道路脇にライトが並んでいる場所があるくらい。

前後に車がいない、少なくとも前後1キロはいないんじゃないかというくらいの、

夜中の寂しい凍結路面、一人ではしゃいでいたのがいけなかったのか、

あっちの世界ってやつに片足突っ込んでしまっていたのです。

さて、前方にぽつんと街路灯が並んでいるところが見えてきました。

場所からいったら、磐梯熱海というあたり。

車を走らせていると、黄色っぽい光が車内を照らします。

そのとき、本当に何気なくルームミラーを見ていたのですが、どうも変。

後ろの窓になにやら変な影が映っている。

通常ですと、このような街路灯が並んでいるところだと、お互いの光で

隣の街路灯の影ができ、車の移動に伴ってその影が一瞬映りますよね。

でも当然、通り過ぎてしまえばそれだけのことです。

でもおかしいなと感じた影だけは、その部分だけぴくりとも動かない。

あれっ?

何の影だろう・・・、よく判らなかった、最初のうちは。

でもその影、指を広げた左右の腕の形がはっきり識別できる。

げげっ、なんだありゃっ。

真ん中のあたり、頭が逆さまに映っていることに気がついてしまったのです。

これはどう見ても、この車の天井に誰かが腹ばいになって乗っかり、

後ろの窓から覗き込んでいる人間の、影だけが映っているような感じです。

頭は髪が無い、耳がやけにぴんと立っている、影。

びびりました。(実は私はびびり性)

なんでだよ、俺、霊感無い筈だぞ、中に入ってこねーだろうなあ・・・。(かなり涙目)

すごい怖かったです、でも凍結路面。

びびっても逃げようがありません。(事故って動けなくなったらもっと怖い)

さて、その明るい場所をすぎると、すぐにパーキングエリアが有ります。

思わずそこに飛び込みました。

入ってびっくり、誰もいない。(それはそれは涙目でした)

なんだよ誰もいねー。

思わず車から飛び降り・・・たかったのですが、そこも凍結中。

そろそろと降りて、鍵着けっぱなしで

唯一明るい自販機のコーナーに、後ろ絶対振り返らずに低速ダッシュ。

自販機の明かりが有り難いですねぇー。(トイレの明かりだったらやっぱり怖かったとおもう)

でも、自分のエンジンかけっぱなしの車を眺めていてもしょーが無い。

でも近寄ってみて、なんか変なのが見えてもやだ。

氷点下の中、もんもんとしていました。

20分くらいしたら、やっと別の車が2台入ってきました。

2台に分乗してきた、スキー客といった感じの人たちが10人ほどです。

ほっとしました、それと同時に寒いのも限界。(涙目∞でした)

その人たちに妙な目で見られました、顔色悪かったんだと思います。

そろりそろりと車に戻りました、中に変なもの・・無し、天井見てみて変な跡・・・無し。

ほっとしました。

再び車に乗り込み、目的地のリス○○まで無事に着いたのです。

じつは、この段階ではまだ、あっちの世界なのか単なる勘違いなのか、判らなかったのです。

だって、私は霊感無い筈の人間でしたから。

そのあとの、そのスキー場(名前わかっちゃいましたよね)の駐車場で

体験したことで、やっぱりあっちの世界だ・・・。

確信してしまったのです。(追っかけて来てたみたい・・・)

一人でびびってばかりの、あまり怖くない話で、長々とすいません。

それではまた。


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「夜中の高速でみたもの その後」


こんにちは。仕事中毒です。

またまたあまり怖くない続きですが、読んで見てください。

前回のはなしにて、スキー場までたどりつくところまで書いたのですが、

実はそこでも妙なことが有りました。

多分、高速道路で見た奴がついてきたのではとないかと勝手に想像するわけですが、

正直言ってわかりません。(私は霊感無いので・・・)

その話というのは、以下のようなものです。

そのスキー場にいくには、非常にわかりにくい入口を探して行かなければなりませんでした。

というのは、このスキー場は名前を同じくするあるリゾートホテルの裏山に

造られているのですが、この92年のシーズン中はまだ建設が完成していなかったらしく、

夜中に通るにはやたらと薄気味の悪い裏道のような細道しかないのです。

(今はそんなことはありません、ホテルまで一直線の良い道ができました)

昔のことなのでちょっと記憶があいまいなところも有るのですが、

この凍結しきった未舗装の細い道の途中には墓場やら鳥居やらと、

さっきあんなめに遭ったばかりなのに出てきて欲しくないものが出てきます。

(まあ昼間見ればどうってことはないものですが・・・)


さて、この道の先にホテルが見えてきて、朝が来るまで車中一泊です。

そうなんです、貧乏な上に当時は同じ趣味(スノボ)の仲間がいなかったので、

私はいつもスキー場の駐車場で一人野宿するのです。

時間は3時を回っているわけで、さっきの出来事は頭の片隅で

気になっていますけど、いまはとりあえず寝ようと考えていました。

ゆるい坂道を登り、ホテルにやや近い場所の

100台くらいは停められそうな駐車場に車を入れます。

数台の車がまばらに停まっているのですが、

私のように仮眠をとっている人のいそうな車は2台ほどいるようです。

寒いのでエンジンを切らずに寝るのですが、

仮眠をとる人の車のそばに自分の車を停めるのは気が引けます。

だって静かな環境ですから、隣りの車のアイドリング音も結構うるさいからです。

そこそこ誰もいない一角を選ぶため、駐車場内をひとまわりしたときです。

くるまのヘットライトが、駐車場の敷地から少し離れたところに

立っている3人の中年おじさんを映し出しました。

とはいっても、車でぐるぐる回っているときに一瞬映っただけですけども。

ただなんとなく、おやっ?、という感じでした。

真夜中のスキー場で人を見掛けるのは、別に異常なことではありません。

係員の地元のおじさんが夜中のうちに人工降雪したり、

ゲレンゲの整備をしたりするからです。

いかにも地元っぽいおじさんが3人ですから、

きっとそういう人なんだろうと考えればいいわけです。

ところがその時はただなんとなく、おやっ?と感じてしまうと、

妙にその人たちが気になってしまったのです。

とりあえず駐車場所を決めて、だいたい東側と思われる方に車の向きを向けてとまります。

シートを倒して横になり、音楽を消し、缶ビールを引っ張り出して飲んでます。

このまま寝てしまえば、夜明けの朝日でいやでも目が覚めるわけです。

だんだん雪がちらついてきました、山の天気ですから変わるのは早いです。

シートに横になりながら、降ってくる雪をぼーっとみていると、

なんとなくさっきのおじさんまだいるかなーと気になります。

少し半身を起こして見てみると、まだいました。

でも20分くらい同じ所にいるなー、なにしているんだろう、話しているようには見えないなー。

だんだん気になります。

だって、いくら地元の人だからって、夜中のスキー場で立っていたら凍えますよ普通。

でも、アルコールが回ったのか、眠くなってもきます。

寝ました。

すぐに目が覚めました。

雪が強くなったのか、車に雪があたるパチパチという音で、一瞬覚醒したのです。

あれ、足音がする。

カツン、カツン、カツン・・・、けっこう乾いた硬い足音です。

誰か近づいて来るようだけど、こちらは無視して再び寝ようとします。

でもなにか気になる、眠いし目は閉じてるけど眠りに戻れない。

少し離れてまた一人分の足音が、近づいてきます。

カツン、カツン、カツン・・・。

3人目がきました、カツン、カツン、カツン・・・。

さっきのおじさんたちかな?、まあどうでもいいや俺眠いし・・・

と考えているのですが、いまひとつ眠りにつけない。

この車の運転席のドアの外側すぐのところに3人いる筈です。

なにやらボソボソと話しはじめたようですが、よく聞こえない。

そのうち何にも聞こえなくなりました、ただ激しくなってきた雪の音がするだけです。

さすがに気になって、起き上がって周りを見回したのですが、誰もいませんでした。

なんか気味が悪いのですが、まあどうしようもないわけで、

今度こそ寝るべぇー、と横になったらこんどは一瞬で爆睡してしまいました。

翌朝、容赦なく太陽光線が車内を照らします。

雪も止んだようです。(10センチ程度しか積もらなかったようです)

とても眠くて、しばらく車の中でふがふが言ってもだえていたのですが、

8時過ぎにはもう寝むれない。

車のまわりを、スキー客がぞろぞろと歩いていきます。

ふと昨晩の出来事が、意識によみがえります。

あの影にはたしかに指が見えたよなー、あれって本物の体験なのかなー。

でも、昨日のおやじは何だったのかなー。

歯でも磨こうと思って、眠い目をこすって外に出ます。

妙な違和感があります。

この駐車場、未舗装で凍結している。

昨日の足音のような音がするわけが無い。

通常、このような所では、雪や氷を踏みしだくグシャッという音とかするはず。

実際スキー客の足音はそうです。

でも昨日の足音は、硬い靴でコンクリートを踏むような乾いた音。

ありえない音・・・。

気になります、きのうおじさんたちを見かけた辺りに歩いて行ってみます。

げげっ、どうなってんだ。

そこはくだりの崖、たいして高くはないけれど人が3人も立っているような場所じゃない。

少し説明をしますと、そこはスキー場に向かう途中の緩斜面につくられた駐車場でした。

想像ですけれど、斜面の土を削って駐車できる水平を造った後に、

今度はその土をその谷側に少し盛って水平に継ぎ足している感じ。

つまり、駐車スペースの山側半分は斜面を削って造り、

谷側半分はその削った土で盛り上げている。

その結果、駐車スペースの谷側のはずれは、切り立っているわけです。

真夜中に人が立っている場所じゃない、ていうか昼間だって立ってるわけがない。

びびりました、あの人たちはいったい何者?・・・、

おかげですっきり目が醒めてしまったのです。(^^;


以上で話しは終わりです。

その日スキー場で大転倒し、軽い脳震盪になった以外は何も無かったので、

きっとこれで終わったのでしょう。

あと私は霊感が無いわりには、他に二つ程度は妙な体験が有りますけども、いずれまた。

怖くないわりに、長い話になってしまいました、ごめんなさい。




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