侵あっちの世界ゾ〜ン・第六十参夜「異星人との交流」
猫目子象さん談
はじめまして。あっちの世界楽しく拝見しました。 私にはムー星人の友人が居ます。 私の話を聞いて下さい。これは実話です。 大学時代からの友人Nは一風変わった女性でした。 学校に来るときは風呂敷にノート類を入れ、首に巻く。(それも唐草模様) 「鞄より機能的である」と堂々と答える。成績優秀、眉目秀麗。 なかなか面白い、と私達は下宿で酒を飲む時などはよく彼女を呼んだものです。 しかし、このN、感情の浮き沈みが激しい。 ハイの時は機関銃のように喋り、ギャグ駄洒落冴えにさえ独壇場と化すのですが、 ローになると・・もろあっちの人になってしまうのです。 ある日の出来事(私の下宿で友人数人とレポートを書いていた時の事) その日のNは初めから調子が悪そうでした。 N:突然弾かれるように顔を上げ「・・誰かこの中で最近海にいった?」 友人A:「昨日、彼と高知の足摺岬へ・・」 N:(突然大声で)「それよっ!!!ああ、強い霊だわ・・自殺者ね・・手がない?」 友人達:しぃ〜〜ん〜。(内心またか・・ってなもんです) 突然ベランダの戸がゴンゴンいいだした。風・・? N:「見てっ!手首だけがガラスを叩いてるぅううう!!」 思わず振り向く友人達。でも何も見えない。その時 N:「あれは何っ!」天井を指さして固まってる。 ・・・何もないじゃん? N:がたがた震えて「お願い・・私を家に・・家に帰して・・」とつぶやくので 私が「じゃ、私の車で」とNを乗せて10分程離れた下宿に連れて行くことにしました。 その間Nは語り始めたのです。 「下宿にも悪霊が沢山いる。今もこの車に霊が乗り込んでいる。 私は宇宙と交信しているうちに自分の前世を知り、悪と戦う術を身につけたが 今日のように新月の時はパワーが得られない」そうして私をじっと見つめ 「気付いていたわ・・貴方はこの星へ来た私の半分・・」(げっ、なにを言い出すんでぃっ) 「私達は運命に導かれるまま出会ったの。 貴方からはパワーを貰えるわ・・・・むぅぅううゃぁあ!!」 突然の奇説、奇声におののきながらも私は悲しい予感で胸がいっぱいになったのでした。 おそらく彼女は遠からず別の世界の人間になってしまうだろう。 私はいつまで彼女の友人でいられるだろうか・・・。 あれから10年が経ちます。彼女は今もあっちの世界とこっちの世界を行き来しています。 性格も顔も口調も全然変わってしまい、 あっちの世界でいる時間の方がずっと長くなってきました。 最後に彼女の言葉を皆様に贈ります。 「戦いが始まる。全人類を守るために。 辛く苦しく困難な戦い。しかし行かねばならぬ。さらば、友よ」 |
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