あっちの世界ゾ〜ン第六十六夜「友人から聞いた話(その2)」

猪ハンターさん談


10年ほど前に大学の後輩S君から聞いた話

1.S君の父上は関西で某新興宗教団体の事務を勤めていたそうだが、

  ある朝父上が教団事務所に出勤すると、教祖の部屋から言い争う声がする。

  何事かと中に入ると、声の主は熱心な信者のAさんと教祖。

  なんでも昨夜、Aさんの夢に宇宙人が現れ、明晩(つまり今日の夜)

  裏山の頂上へ来いというお告げがあり、話を聞いた教祖は「絶対によせ」と

  止め、Aさんは「いや私は行く」と言い張り口論になってしまったとの事。

  とうとう教祖が「行くなら破門にする」と強く出たため

  Aさんも断念したかに見えたが、その晩教団事務所にAさんの家族から

  「お父さんが外出したまま戻らない」との電話が。

  Aさん捜索のため急遽集まった手すきの信者達に教祖は言ったそうだ。

  「今晩は危険だ。捜索は明朝行う。」


  そして次の日、難なくAさんは見つかった。

  教祖に告げた通り裏山の頂上に居たからだ。

  ただし、発狂した状態で。


2.妹が盲腸で入院したため(ちょうど夏休みだったので)Sくんは帰省を兼ねて

  両親と共に妹の見舞いに行った。  すると妹の入院しているフロアが騒然と

  している。妹の病室の斜め向かいの個室で、医師、看護婦が遠巻きに見守る中、

  神主の様ないでたちの人物が大声でお払いをしていたのだ。

  Sくんは妹から次のような話を聞いた。


  あの(お払いをしている)部屋に三日前、おばあさんが入院してきたのだが

  その日の夜、おばあさんのベッドのすぐ脇に白い着物を着た女が立った。

  ずっと無言でじっと見つめられ、おばあさんは怖くて眠れなかった。

  次の日の夜もまたその女が来てじっと見つめられた。おばあさんは朝まで

  恐怖に耐えた。

  そしてまた次の日の夜(つまり昨夜)、やはり女が現れ、同じように無言で

  おばあさんを凝視した。さすがにたまりかね、おばあさんが

 「私にどうしろって言うの!何が欲しいの!!」と叫ぶとその女は無言のまま

 おばあさんの左胸をぐわっと鷲掴みにし、あまつさえその部分に噛みついてきた。

 恐怖の余り気を失ったおばあさんは目覚めるとすぐ家に電話し、病室に祈祷師を

 呼んでもらったそうだ。


 「あのおばあさんったらこのフロア中の人に話して回ってたわよ。」

 とちょっと愉快そうに妹はS君に語ったそうだ。


3.S君の同級生に金粉体質の人がいた。

  金粉体質とは霊能者等に希に見られるもので、本人の意思に関係なく体中から

  金色の粉が吹き出す体質であるらしい(純金かどうかは知らない)。

  S君もしょっちゅうその人物の腕に金粉がきらめいているのを目撃したそうだ。

  「(金粉体質の)本人は汗や垢と同じ程度にしか考えていなくって

   自分の体質を鬱陶しがっていた」。とS君は言っていた。




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