あっちの世界ゾ〜ン第八十七夜「大「顔」展の顔」

ろの字さん談


「顔」といえば…。

えっと、今回も知り合いの解剖学の先生にお聞きした話です。

実はこの方、国立科学博物館でやってる『大「顔」展』

の委員でもあるのですが、そこで起こったお話です。

この展覧会では顔の構造を解剖学的に見せるために、顔の標本、

つまり皮膚を剥がして顔面表情筋やいろんな組織を露出させたディスプレイ、

…要するに「皮を剥いだ生首の薬品漬け」がいくつか展示されています。

その中の1つ、「顔全部の皮膚を剥がされた顔」さんの樹脂製の容器に

突然ヒビが入りました。ちょうどお盆前でタイミングもばっちり。

縦に入ったヒビからは中の薬品が流れ出て来て、気が付いたときには

彼(彼女?)の目の下あたりまで液が減っていたと言う事です。

ただ置いてあっただけで、突然割れる事など考えられない頑丈な樹脂製の

入れ物だっただけに、関係者はイヤ〜ンなものを感じたそうです。

その後「顔」さんはガラスの容器に収め直され今も展示されているのですが、

一時的に薬品が流れて外気に触れてしまったために、

その表情、特に目つきが変わってしまったと言う事です。

顔全部の皮膚を剥がされて展示されているだけでもあんまりなのに、

表情まで変わってしまうとは。。。。。

で、ガラスの容器に移し替えて再展示する際には

「ちゃんと御祓いをした」そうです。

国立科学博物館で御祓いとはアレですが、

歴史ある公的機関ほどこうした霊的なステップを重んじるのでしょうか。

上野という場所もなんか昔からの因縁の地らしいし。

なんか帝都物語みたい。




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