侵あっちの世界ゾ〜ン・第九十夜「青山から千駄ケ谷」
ろの字さん談
実は私は3年ほど前までバイク便をやってまして、今回はその時の話です。 バイク便といっても常にカッ飛んでいるわけではなくて、 仕事が途切れた夜間など「待機」モードに入ります。 で、待機する場所も人それぞれに、それぞれの場所でのお気に入りがありまして、 私の場合、青山だったら青山墓地だったりします。 青山墓地って、タクシーさんも仮眠を取ってる、業界の定番スポットなんです。 虫はいるけど静かだし、トイレはあるし。 といっても私は一度も青山では「あっち」体験はありません。 話は、私が青山で待機していて次の仕事が千駄ケ谷から入った時の事です。 次の荷受先(青山からの移動先)は千駄ケ谷のビ*タースタジオでした。 一部で幽霊スタジオとか言われている、例の仙寿院の空中墓地の横です。 霊感に恵まれない私はその指示を受けた時、調子に乗って 「は〜い、青山墓地から幽霊スタジオまで移動しま〜す♪」 などと言ってしまったのが間違いだったみたいです。 外苑西を爆走、速やかに荷受完了。うん、上首尾だ。 で、スタジオから出てイザ出発と言う段になって、突然、首がつった…。 なんか、ドンと右の首から肩にかけて衝撃が走り、 寝違えたみたいに、首が回らなくなってしまいました。 バイクは発進したり後方確認する時に「右をチラッ」とする事が多いんで、 非常に往生したのを覚えています。 普通、寝違えたのなら風呂に入って2〜3日で治りますが、 その時は全く去ってくれませんでした。 寝ても辛くて痺れてるし、歩けば響くで仕事になんぞなりゃしません。 そこで、苦し紛れの一策。 幸い、弟(僧侶)から貰った本があったので頭の下に敷いて寝たら、 症状が緩和、2日ほどで凝りは去りました。 まぁ素人くさい乱暴な生兵法ですが、結果オーライだったようです(冷汗)。 …しかし、あれは一体、何だったんでしょう…、不思議な経験でした。 ちなみにスタジオ横のトンネル(墓地の下)は有名なスポットで、突然ブレーキが 利かなくなったり笑い声が響いたりと、仲間内でもその手の話が良く出てました。 たしかに夕方、神宮から下ってくるときに見える、夕焼けをバックに 卒塔婆が浮かび上がる空中墓地の光景にはゾッとするものがあります…。 |
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