あっちの世界ゾ〜ン第九十六夜「見つめる人」

ろの字さん談


どもども、ろの字です。

先ほど知人の女性から「あっち」体験を聞き及び、

文章にしたものを頂きましたのでご紹介させて戴きます。。。。


-----------------------↓ココカラ↓------------------------


私の体験した怖い話。 題して『見つめる人』。


多分小学4年生くらいの時の話です。季節は秋の頃だったと思います。

理科準備係だった私と、Y子ちゃんという同級生の友達は、

放課後、理科室の隣の、理科準備室に入って、塩の成分か何かの紙の模型を、

チェックするように先生にいわれて、二人でガサゴトとやってました。

大体、時間は4時か5時くらい、ちょうど陽が落ち始め、薄暗くなった準備室で、

会話もなく二人で黙々とチェック作業をやっていたんです。

本来ならもう既に、小学生は公舎内にいては行けない時間が

迫っていたので、私たちは焦っていました。

作業をしていて、急に友達のY子ちゃんが、奇声を発しました。

「ひっ!!」

私は何事かと思い、Y子ちゃんの視線の先を追いました。

Y子ちゃんは窓の外を見ているようで、私も目を凝らしました。

その窓のところには、業務用の灰色のスチール棚みたいなのが

窓にべたっとくっつくような形で置いてあり、

その窓を開け閉めするときは、スチール棚の先に手を伸ばして

開け閉めするような感じになっていました。

その棚の上には無数に、透明の筒状の細長い入れ物が立っており、

その筒と筒の間の、5cmほどの間から、

見えてはいけないものが見えていたんです。

筒と筒の間から、目が、こちらを見ていました。

ただ、こちらを覗いている、と言う感じでした。

女の人だということは分かりましたが、それ以上のことは分かりませんでした。

でも、私とY子ちゃんは、恐怖で固まりました。

1,2分、その目と見つめあっていました。

急にY子ちゃんが、「やだっ!」と声を上げて、私は正気に戻るように、

腰を抜かして座り込んでしまいましたが、Y子ちゃんが、

私の腕をものすごい力で掴んで、外に連れだし、

二人で泣きながら先生のもとまで走りました。

その理科準備室は、3階でした。

先生は信じてくれませんでしたが、二人でずっと泣いていました。

本当に怖かったです。

それから、後にも先にもそういうことはありませんでしたが、

今でもY子ちゃんと会うと、その話ばかりです。


-----------------------↑ココマデ↑------------------------


…と言う事です。

透明の筒の間から覗いている、というのがなんともアレです。


話は新宿の某焼肉屋さんで盛り上がっていた時に聞いたので、

その時はあまり恐くなかったのですが、こうして読んでみると恐いです。

一見、学校の怪談っぽいですが、

普段そんな事は言わない人だけにしみじみとキます。

これが「あっち体験談」でもご紹介されている、

「こちらを見つめる平べったい人」の類なのか、

「3Fの窓の外から見ていた人」なのかはわかりませんが…。




目次に戻る
     戻る
次の話を読む