あっちの世界ゾ〜ン第七十四夜「こんどもあっちの話」

滝川真琴さん談


どうも、こんばんは。

親しい友人にここに投稿?しているのが、いきなりバレて

「文が下手だ」など言いたい放題言われている滝川です。

その友人にはここに書いたのも含めていろいろと話ていたせいなんですけど。

という事で今日はその友人と一緒に体験した「あっち」のお話をお聞き下さい。

また長いかもしれませんが・・・よろしくお願いします。


その体験をしたのは、彼が車の免許を取って調子にノッていた高校三年の三学期の時です。

僕は12月生まれだった為、その時まだ免許が取れず彼の事を羨ましがっていました。

彼は、そんな僕の気持ちを知ってか知らずか良くドライブに誘ってくれました。

僕らは、彼が先輩から三万円で買ったおんぼろミラターボで

それはいろいろな所へ遊びに行きました。

そんな毎日を送っていたある日、ある経緯で一泊二日でO原高原という所へ

同じクラスの女の子ふたりと僕らで遊びに行く事になりました。

彼は異常な程浮かれていました。

彼はいまだに白状しませんが女の子ふたりの片方に惚れていたからです。

もちろん僕も浮かれはしましたが、彼ほどではなかったと断言できます。

いろんな場所をまわってホテルに着くと、彼は僕に自分の荷物を渡してよこし、

サッサと彼女達の所へ遊びに行ってしまいました。

僕はしょうがなく自分達の三階の部屋へと荷物を持って入っていきました。

「イテ・・・」

僕はいつも見える人ではないんですが、

見える時は首筋がつったように少しズキンとするんです。

それが、その部屋に入った途端起こったんで、僕はなるべく周りを

見ないようにして荷物をベッドの上に置くとさっさとその部屋を出ました。

そして、彼女達の部屋に行き友人を呼ぶとそれを話ました。

「うそだろー」

みたいな事を彼はいうと、それを絶対彼女達に言うなよ、

とそれだけいって、また彼女たちの部屋へと入っていってしまいました。

まあ、そうなったからといって、必ず見るというわけではなかったんで

僕も彼女らの部屋へ入ってからはそれ以上なにも言いませんでした。

それからしばらく彼女たちとワイワイ騒いで遊んでいましたが、

確か午前三四時ごろになって、明日のこともあるからさすがにすこし

寝ようという事になって僕らも自分達の部屋へと戻りました。

そのとき僕はガンガンに酔っ払って、先程のことなどすっかり忘れていて

ベッドに倒れ込むとそのまま眠ってしまいました。

どれくらい時間が経ったのか、僕を揺さぶるものがあります。

僕がそちらを見ると友人が情けない顔をして僕を揺さぶっています。

「なんだよー・・・まだ寝かせてくれよ・・・」と僕。

しかし、なんだか頭がしっかりしてきました。

なんというか、神経が緊張するというかそんな感じです。

そういう時はだいたいつまらない事になるんですが・・・。

腕時計を見ると、丁度七時を回った所でした。

僕はもそもそと起き上がると、

「どうした?幽霊でもでたか?」

となんとなく彼に言いました。

すると彼が、

「出たんじゃなくて、そこにいんだよー!!」

と叫びました。

僕はビックリして飛び起きると彼の指差す方を見ました。

ああ、いるよ・・・。

全開に開いた窓、その窓の外から部屋の中の僕らに笑顔で手を振る女が。

友人は完全に脅えています。

僕はその友人に、

「・・・この部屋、すぐに出よう・・・」

と告げると僕は女を無視するようにドアの方へ歩き出しました。

突然友人が、

「うわー」

と聞いた事のない情けない悲鳴をあげました。

僕がおもわず女の方を見るといつのまにか部屋の真ん中にいます。

僕らと手を伸ばせば届きそうなくらいの距離のところに・・・。

さすがに僕も友人も恐くて動けなくなっていると、その笑いながら僕らに

手を振りつづける女が、急に真顔になったかとおもうと

上の方に引っ張り上げられるみたいに天井の中に消えてしまいました。

もちろんその後は、その部屋から一目散に逃げ出したのはいうまでもありませんが。


お疲れ様でした。

また長くなりましたが勘弁してください。

ここでもすこし書きましたが、僕の場合、普段見える事って滅多にないです。

それにそれ以上なんにもできません。時々見えるだけです。

だから、その類の相談を持ち込まれてもなんにもできません。


分かったか、O村。


失礼しました・・・それでは。





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