唇あっちの世界ゾ〜ン・第八十八夜「りりちゃん」
稲川淳二二世さん談
私が生まれたときに、もう亡くなくってしまった祖母からフランス人形をいただきました。 ちっちゃいころは、りりちゃんと名付けて遊んでいましたが、 10歳頃になって、もうりりちゃんとは、遊ばなくなりました。 そのうちに、だんだんとうす汚れてきて、 おもちゃ箱の中に、ぎゅうぎゅうづめにいれてしまいました。 12歳の誕生日をむかえた夜なんかの視線におこされ、ハッとしました。 そう、りりちゃんがたっていたのです。 もう、そういうことがあってから、りりちゃんを大事にしています。 長く居る人形というのは、魂が、宿るといいますからね。 あー恐かった。 |
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