唇あっちの世界ゾ〜ン・第九十八夜「相模○野にて」
えるさん談
かれこれもう10年近く前にとあるデパートが相模○野にできたので 家からも近いしアルバイトをする事にしました。 まぁ、相模○野と言うところは知る人ぞ知る 「陸軍病院」があったところなので街自体がわりと異様な感じなのですが 結構いい時給だったので行く事にしました。 私の配属はそのデパートのほかの店からヘルプに来た人用に別のビルに ロッカールームとして借りていた場所の管理でした。 朝と晩だけ忙しくあとはずーっと暇なのにそこに居なくてはならなくって 多少の苦痛はあったものの何もしないでお金を貰えるので毎日行ってました。 そのビルも変な所で誰も居ないのにトイレが流れたり電気がついたりと なかなかのものがありましたが人も3人は常に居るし そんなに気になりませんでした。 9月のある日、台風が目前まで迫っているという事で 午後4時の時点で空は真っ暗でした。 帰りはどうしようか・・・と悩んでいると窓の外を黒ずくめの男の人が通りました。 「何か変だな・・・いやな感じの人」と思って友達に聞こうとした時に 「ここって3階じゃん・・・」という事に気付き叫んでしまいました。 今まで多少居ないはずの人が見えてもこんなに恐いと思った事はありませんでした。 あまり恐くないかもしれないけど私が見た一番恐いものだったような気がします。 |
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