こっちの世界ゾ〜ン第三十夜「隠し釣り場の三悪人」

OTEF(初代アホーマン)さん談


お久しぶりです!OTEFでーす。

皆さんいろいろあるみたいですが、元気だして行こう!

突然ですが、「隠し釣り場の三悪人」の始まり、始まり。


・・・・高速道路を飛ばす車が1台・・・・

「おい!本当に釣れるんだな?」

「ああ、本当だ。でもタイミングが要るんだ。」

いつもの様に、沼津に到着。しかし、行き先はいつもの静浦ではない。

伊豆半島の付け根をやや下った所・・・大瀬崎付近・・・が今日の目的地だ。

インターを下り、国道414号線に向かう。右手に静浦をやり過ごし、

狩野川放水路を越えた所を右に曲がり、海に沿って進んで行く・・・


しばらくすると右手に古びた一軒の釣具屋が見えてくる。


「おはようございます!最近どう?釣れてる?」

「んー、小さいのは上がるみたいなんだけどねー。あんまし良くねえよ。」

「最近お客さんは良く来るかい?景気悪そうな顔しとるで、親父さんよ!」

「馬鹿言っちゃいけねえ。昨日なんか客が多すぎて店が倒れるんじゃねえかと思ったほどよ。」

「だったらこれは何なんだよ!この青イソメ。この店は死んだイソメを売るんか?」

「イソメの長寿記録でも作る気か?」

「まいった、まいった。OTEFさんにかかっちゃ、わしもかたなしやなー。」

「ところで、今日は1人じゃないんだねぇ?連れの人は大丈夫なの?」

「だいじょーV(古り〜)」

「そう!それなら良いんだ。がっはっはっは」

「あ、もう6時か。そろそろ店を開けるかな。」

・・・開店と同時に外で待っていたサンデー釣り師達がどっと入ってきました。

仕掛けを買う人、餌を買う人、お菓子や飲み物を買う人・・・

とても親父1人ではさばき切れない。

「OTEFさん。お願いします。お連れの方も・・・」と親父が小声で合図を送ってきた。


店員モード発進!!

「はい、いらっしゃい!餌ですね?それならこちらです。どーぞ!餌はね・・・イソメが一番!」

これで、死にかけたイソメちゃんが1パック500円で全部売れてしまいました。

もちろん、上の方の見える所には生きているイソメをサービスしときました。


「この仕掛けは今一番ヒットしてますよ!

お客さん(相棒)は昨日、これでいっぱい釣れたんだよね!?」

「ああ、あそこの堤防の先っちょで釣ったんだけど、アジやメジナが20尾以上釣れたよ。

最初、違う仕掛けでやってたんだけど、

この仕掛けに替えた途端釣れだしたんだ。竿が折れるかと思ったよ。」

「お客さん(相棒)、面白いねー。今日も行くんだろ、あそこ?」

「昨日釣り過ぎちゃったんで今日は止めとくわ。がっはっはっは。」


これで、1セット1200円の仕掛けが5個売れました。


「今日も暑くなりそうだねぇー。冷たいもんいっぱい持って行った方が良いよ。

この辺、自動販売機があんまし無いから。」

これで、ビール、ウーロン茶、氷などが6000円分売れました。

この後、5グループお客がやって来て

その度に私達の口車に騙され、大金を落として去って行きました。


「あ、もう9時か。そろそろ店を閉めるかな。」


3人は裏手に泊めてあるボートに乗り込みエンジンを掛けた。


「銀ちゃん!今日もうまくいったね!」

「それにしても連れの人の演技はよかったねー」

「あのくらい誰でもできるさ」

・・・・3人の幸せな釣り人の裏には千人の不幸な釣り人の屍があるのだ・・・・

アーメン!





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