こっちの世界ゾ〜ン第六十五夜「みなさん初めまして!」

ボヤッキー(ぼやヤン)さん談


みなさん初めまして!いつも楽しくROMさせていただております。

いい加減恩返しをしなければ・・・と思い、今回初登校させて頂きます。


小生は、某医科大学に通い続けてそろそろ

三十路に片足を突っ込んでいる医学生です(シクシク・・・・)。

さて、医学部の授業というものには、一般の臨床医学(外科・内科・小児科・・・)

の他に、基礎医学と言うものがあります。その基礎医学の授業の中には、病理学や

生化学・生理学・解剖学・・・等の他に、『法医学』というものがあります。

ここで、簡単に”法医学”と言うものを説明させて頂きますと、

「法律上問題となる医学的事項を検査、研究し、それによって問題点を解明して、

法律的な解決に寄与する事を目的とする医学である。」・・・というもので、

簡単に言うと、身元不明な死体や、異状死体を見つけたら、解剖や血液検査等を行い、

きちんとした性別や年齢・死亡の原因をつけてあげましょう!と言うものです。

(うーん、いかにもあっちも世界の香りが・・・(爆))

あ、ここで一つ言っておきますが、テレビドラマに出てくる解剖医のように、

解剖医が直接事件の解決のために右往左往するという事など、一切ありません!

法医学教室では、ただ単に死因や凶器等を特定するだけで、

それらの条件を事件に結びつけるかどうか、犯人を特定するか等は、

あくまでも警察のお仕事であり、医者が探偵の真似事をする事なんて、

一切無いのが現状です。<そんな暇無いって(笑)

この話は、法医学の授業で、あらゆる事件の状況証拠や、異状死体のスライドを

見ながら、教授がその時の状況や、直接死因等を説明してくれた時の話を、

小生がいかにもその現場に立ち会ったかがごとく、構成させていただいたものです(爆)。


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「ああ無情!マーフィーの法則」


それはある秋の日のこと、T教諭はいつもと変わらず家を出て、

勤務先であるK中学校に登校し、職員室で一時間目の授業の始まりを、

ぼーっと待っていた時のこと、ふといつもと違う違和感を感じました。

そして、周りを見回してみると、同僚のS籐先生がまだ学校に来ていない事に気づきました。

S籐先生は、とても真面目で礼儀正しい先生で、遅刻や無断欠勤等というものとは、

一切縁の無い先生でした(う〜ん、小生とはえらい違いだ(爆))。

もうそろそろ授業が始まるというのに、いつまでたってもS籐先生が

登校して来ていないことに他の先生方も気づき、

仕方がないのでS籐先生のアパートに電話をする事になりました。

しかし、いつまでたっても電話には誰も出ません。

仕方なく、その時のS籐先生の授業は自習ということにして、

S籐先生が出てくるのを待つこととなりました。


さて、時間はもうお昼になりました。

しかし、相変わらずS籐先生の姿はありませんでした。

仕方なくT田先生が代表で、S籐先生のアパートへ様子を見に行くことになりました。

T田先生はS籐先生の住むアパートに到着し、呼び鈴を鳴らしてみました。

しかし、いつまでたっても誰も出て来ません。

外から部屋の様子をうかがおうにも、

部屋は二階にある上、カーテンがぴったりと閉まっていました。

仕方なく学校に戻ろうと自分の車の所まで引き返してみると、

そのアパートの駐車場には、S籐先生の車がきちんと駐車してあるのに気づきました。

おかしい・・・・・T田先生は、そのときいわゆる”あっちの世界”の匂いを感じたのでしょうか、

気になってそのアパートの管理人の家に行き、部屋の中へ入って行くことにしました。


管理人と一緒に、T田先生は再びS籐先生の部屋の前まで来て、

とりあえずもう一回呼び鈴を押しましたが、やはり返事はありません。

仕方なく鍵を開け、管理人と二人で中に入って行くことにしました。


「ガチャ・・・・」ドアを開けると、何か湿気の籠もったいや〜な臭いが漏れ出てきました。

やっぱりおかしい・・・・T田先生と管理人は、

同じ感覚を共感しながら、ゆっくりと中へ入って行きました。

正面の部屋(居間)は、昼間だというのに明かりが点けっぱなしである事に気が付きました。

T田先生は自分の五感を駆使し、

周りに細心の注意を張りながら、一歩一歩居間に近づいて行きました。

(嫌だな〜・・・なんか、嫌な予感がするな〜・・・

でも、ここまで来たら引き返す訳にもいかないしな〜・・・・)と思いつつ、

T田先生と管理人の二人は、居間までやって来ました。

そして、その中をT田先生が見た瞬間・・・・・


「ぎゃーーーーーーーーーーーーーーーーーー・・・・・・・・・・・・」


ああ無情!これぞ「マーフィーの法則」というものなのか!

そこでT田先生の目にしたものは、冷たくなったS籐先生の哀れな姿でありました。

そこで二人が見た、S籐先生の姿は、

ロープでぐるぐる巻きにされたまま窒息死をた、本当に哀れなものでした。

S籐先生の死体を見つけてしまったT田先生と管理人は、

あわてて警察に連絡をし、そこで彼らが来るのを待ちました。

しばらくすると、大勢の警察官と、検察官達がやって来ました。

しかし、T田先生は、警察官達が来るまでの間どうしても腑に落ちないことがありました。

「おかしい・・・・・なんだこの違和感は・・・・・」

T田先生は、最初は初めて見た異状死体のため、よく遺体の状況を見ませんでした。

しかし、ふと湧いて出た「違和感」と同時に、

それを確かめたいという「好奇心」が湧いてきました。

その結果、T田先生は、自分の好奇心には勝てず、警察官達と一緒に再びS籐先生の

遺体の所まで行きました。

そして、再びS籐先生の遺体を確認したところT田先生の感じた「違和感」はすぐに解けました!


「謎は全て解けた!これは殺人事件ではない!」


遺体の状況を詳しく見たT田先生は、

さながら金○一少年のように見事に完璧な推理をしたのです。


そのときT田先生の見た遺体の状況とは・・・・

@S先生は全裸であった

AS先生は天井からロープでつり下がっていた

BS先生は、亀甲縛りであった

C遺体の側に、「一人SMの縛り方教本」が落ちていた


そう、S籐先生は、前の晩一人SMに励んで自分を天井から吊す”プレイ”を行っている途中、

誤ってロープが首に入ってしまい、そのまま「昇天」してしまったのです。


教訓「一人SMは、あなたの健康(命の場合も)を損なう危険があります。

プレイするときは、必ず複数で行いましょう!(笑)」



しかし、授業ではいろいろな遺体を勉強させてもらったけれど、この時ほど

「こんな死に方だけはしたくない・・・・」と思ったっす!

もう授業中だというのに、全員爆笑ものでした。

まあ、教授が言うには、こういう風に死ぬ人って結構多く、

しかも教育者や管理職の人達に多いんだそうです。

現に、この手の遺体のスライドは、結構ありました。

人の命に関わっていることだけに、

茶化すのは良くないことなんだろうけど、この時ばかりはねぇ・・・・・・


合掌(ちーん)

P.S:こういう人が霊となって出てくるとしたら、

いったいどういう風に出て来るんだろうか・・・・・(笑)


あ、そうそう全て仮名です!(当たり前だけど(爆))





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