こっちの世界ゾ〜ン・第二十四夜「電波のおばちゃん」
NeXさん談
この話は怪奇現象、幽霊等とは違う真実のノンフィクションです。 私が今から2年前の事です、大学の独りで下宿アパートに住んでいました。 このアパートというのは昭和初期に建てられた山の中腹にある4戸1の おんぼろアパートでした、そのおんぼろアパートの2階に住んでた私は 友だちと連夜のごとく麻雀や酒盛りで騒いでいました、4戸1のうち3戸は 同じ学生でしたのですが、私の真下の1階には、歳の頃なら70前のお婆さん が独り住まいしてました、このお婆さんは心身に障害を持つ女性でしたが 私とは非常に打ち解けて普段から近所付き合いをしていました。 騒々しい学生に注意する為、いつも夜中に(電波が飛んでくる!)と叫んで階段を 駆け上がってくるので、電波のおばちゃんと親しまれて?いました。 当然、私以外は顔は見てませんが。 ある夜の事です、いつものように私の部屋に4人で集まり 麻雀を始めて盛り上がっていたら、階段を駆け上がって扉を叩きながら、 電波が飛んでくるー! と叫ぶ、おばちゃんの声がしました、 普段ならそれで麻雀をやめるか、静かにするのですが、 その晩はゼミの打ち上げも重なり、みんな無視しろーと盛り上がり、ほっておきました。 無視してると2度、3度階段を駆け上がってきたかと思うと急に静かになりました。 電波のおばちゃんの存在すら忘れて、没頭してた午前2時くらいの事です、 突然、私の6帖1間の部屋の押し入れから変な音が聞こえて来るのが 友人に指摘され気付きました、また鼠でもいるのかと思い、押し入れの襖を後ろ手に開けたら、 なんとそこには、額からは少量の血を流しながら電波のおばちゃんの生首が置いてあったのです、 我々が叫び声をあげた瞬間、その生首は一言、 電波が飛んでるー! と叫び消えていきました。 生首の正体は1階の押し入れから頭で床のベニアを突き破り、 我々に警告しにきた1階のおばちゃんでした。 その後、他のメンバーの3人は飛んで帰ってしまい、私は独りでその部屋で朝を迎えました。 |
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