こっちの世界ゾ〜ン第八十壱夜「こんな店長は嫌だ」

猫目百太郎さん


三堂りあるさんの話を読んで想い出した話があります。

私が働く店にも、嫌な客はいます。

毎週日曜日にやってきて、ロング缶のコーヒーを買っていくおじさんがいるんですが、

たまたまその缶コーヒーが売り切れで、レジで仕事をしていた私に

そのおじさんは、怖い顔で「なんでコーヒーがないねー」と

別の飲み物を持ってきて、お金を置いて帰っていきました。

お金をレジに入れようとしたその時、お金から甘い匂いがしてきました。

なんとそのおじさんは、お金をお菓子の袋の中へ入れていたのです。

それが初めてのことではなく、二三回あり、

私の友だちはお金にカビが生えているのかと思い悲鳴を上げていました。

そのおじさんの嫌がらせは、今も続いています。



次は前にいた店長の話。


前にいた店長は、ろくでもない人間でした。

彼のせいでベテランの店員がやめ、

不必要な品物だけが増え、客に喧嘩を売るという奴でした。

そんなある日、レジが混んできたのでレジにはいると、

ロンゲで豹殻のコートを着た

ナイスバディで綺麗なお姉さんが、買い物籠二つ持ってきました。

そのお姉さんは、レジに商品をおくなり言いました。

「ねえ、前にいる眼鏡の男、あれ店長。私、バカって言われたんだけど。

今からここの商店街の偉い人に、知り合いがいるから電話するから」

といい、携帯片手に電話し始めその頃、

まだ新人だった私は怖くなり、ひたすら謝りました。

そしてそのお姉さんは

「あんたのせいじゃないから、別に謝る必要ないから」

と言いました。

そのことを先輩に話すと「またやったかー」と呆れていました。

その数日後、店長が稼業を継ぐと言い、やめて京都へ帰っていきました。

噂によると、彼はお金持ちの坊ちゃんで、このお店の店長にもコネでなれたとか。

どうやら、あの苦情が本社の人間に伝わり、くびになったと言われています。

そして店員がミスをしたときに言った言葉が

「だから沖縄の人間がバカなんだよな」

で、それに耐えきれなくなった先輩達が、本社へ苦情のファックスを何回も流し、

それのせいでくびになったという噂もあります。

その後、私が働いている店には、

本社から店長を来ず、パートとバイト生だけで切り盛りしています。




     戻る