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第三三夜「とんでくるモノ」うちわさん談

大変お久しゅうございます。
仕事中の現実逃避ほど心休まるものはないですね。
どうも、うちわです。
妹の未来の旦那から聞いたお話。

メールで出そうと思ったのですがどうしても帰ってきてしまうので
掲示板に書かせていただきます。


姉の私を差し置いて、妹が「嫁に行く!」と、のたまった日。
ちょっと(めちゃくちゃ)腹がったたので、
恐怖体験談を話さないと結婚は認めん!
と、妹のつれてきた男の子を脅して聞いたお話でございます。

その頃、彼は小学生だったそうな。
当時、友達と早朝(午前3時頃)から釣りに行くのがはやっていたらしく、
近くの池でボートを予約しては、週に一度くらい出かけていた彼。
その日もいつもの悪ガキども
8人くらいが連れ立って池に向かったのであります・・・

(以下、妹の未来の旦那(予定)談)

その日も薄暗い時間からボートを借りて池にこぎ出したんやけど。
いつもより人数が多かったからボートを二艘かりとったん。
俺らのボートは結構うるさいのばっかりやったから
さわいどるばっかりで、全く魚が釣れへんかった。
なんやつまらんくなってきて、
つりを中止してカブトムシでも捕ろうかって話になった。
その池の周りは、いい感じの林になっとって、クワガタとかもよくとれとった。
俺らはボートを岸に着けて、林の中に入っていった。
釣りとは正反対でカブトムシやクワガタはめちゃめちゃ捕れて
他の奴らにも見せたろうとボートにもどったんや。

そん時、なんや霧がでとってもう一艘のボートが見えへんかった。
俺らは岸からボートを離して少しこぎ出したんやけどなかなかすすまへん。
その場をぐるぐるまわっとる感じで、おかしいなぁって思ったときやった。
目の前をふっと何かが横切った。
なんや!って俺らがボートを止めたとき、また飛んできた。
今度はみんなはっきり見た。

・・・・・白い手ぇやった・・・・・

俺らはとたんにパニックになってむちゃくちゃにボートをこいだ。
でも、やっぱりぐるぐる回るだけで全然すすまへん。
「なんでやぁぁぁぁぁぁぁ~!!!」
ボートの上でどこにも逃げ場がない。
泳いで逃げる事もできへん。俺、カナヅチなんや・・・。
そういえば、この池って「出る」ってうわさがあった気がする。
「何で俺らのとこにでるんやぁぁぁぁぁぁ~!」
半泣き状態で叫びつつ、思いっきりこいでもボートはすすまへん。
むかつきながらボートのはしみたら、白いもんがようけくっついとるやないか。
なんやこれ?俺らはボートの周りを見渡した。

・・・・・白い手ぇやった・・・・・

めちゃくちゃようけの手ぇがボートをおさえとってん。
これはやばい!って思った俺は、釣り竿で白い手を払った。
めちゃくちゃ振り回しとったら、ボートから手が離れだした。
「助かるかも!」
まじめにそう思ったところがやっぱり小学生やな。
現実はそんなに甘くはなかった。
払われた手が飛び交い始めたんや。
俺らの間を左から右へ、右から左へ・・・

このまま釣り竿をふっとたらいつか捕まれて引きずり込まれるかもしれん。
そう思った俺は、友達に「俺と代われ!!!」って言ってオールを取り上げた。
必死になってオールを漕ぐ。釣り竿をふる。
どのくらい時間がったったんやろう。
泣きながら白い手ぇと戦かっとたら、
いつの間にか明るぅなってきてボートが進み始めた。
そしたら、嘘みたいに霧が晴れて俺らは助かった。
仲間のボートが見えたときは、ほんまにうれしかった・・・

(以上。彼の方言をそのままにしておおくりしました。)

この話を聞いたときは鳥肌が立ちました。
ボートを進めるためにオールを取り上げたのかと思ったら
「いや、俺がひきずりこまれそうな気がしたから、友達に変わってもらった」
ようするに、自分じゃなきゃいいのか?!?!
さすが、私の未来の義弟・・・
強者な彼らは、その後も同じ場所に釣りに出かけたそうな。

また長くなってしまいました・・・
それではまた。

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2007年08月24日 23:48に投稿されたエントリーのページです。

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