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第八二夜「駅の怪談Ⅲ」獣人さん談

まだまだある駅の怖い話。
これは、経験した先輩から直接聞いた話です。

ある日、ある駅で人身事故が起きました。
当事者は即死。すぐに死亡が確認されたので警察の管轄となりました。
(生きている場合は消防が病院へ運びます。生死不明の場合も。)
遺体は損傷がひどく、死体袋(毛布等でくるむ場合もある)の
他に黒いビニール袋が幾つか必要になるほどだったとのこと。

さて、走行路面の清掃も終わり開通となりました。
その日の当直は先輩ともう1人ベテラン職員の2名でした。
私も経験がありますが、事故当日の宿直は嫌なものです。
特に終電前のホーム点検が嫌でたまりません。
遺体のあった場所は清掃されており、
そこだけやけに綺麗なのでどうしても目が行ってしまいます。
当直の2人は、終電発車後構内の残留客の有無を確認して出入口を閉め、
残務処理をして事務室の隣にある仮眠室で仮眠をとりました。
眠ってどれくらい経ったのか・・・。
先輩はかすかな足音で目が覚めました。
夜中に駅構内で足音がするのは珍しくありません。
昼間出来ない工事等で業者さんが入ることがあるからです。
でも、その日は工事の予定など聞いていませんでした。
先輩が真っ先に思いついたのは「残留客が居たのか」ということ。
相方も同じく目が覚めたようで、2人で構内を点検しましたが誰も居ません。
それで再びベッドに入ったのですが、うとうとするとまた音がします。
仕方なくもう一度見に行ったのですが、やはり誰も居ません。
先輩はきっと何か機械の音だと無理矢理思い込み眠りました。
朝起きると、相方のベテラン職員が「全く眠れ無かった」と言います。
彼は、同じ仮眠室でも事務室寄りで寝ており、
先輩が眠ってしまった後もずっと足音が聞こえていたとのこと。
しかもその足音は事務室の外ではなく、中でしていたというのです。
とりあえず始業の準備をし、始発列車も無事見送り
早番の職員が出勤して交代し、ひとまず当直の仕事は終わり。
休憩室で食事をとろうとしていると、電話が鳴りました。
電話は警察からで、「昨日の人身事故の遺体を入れた袋が足りないんだけど、
そこにありませんか?」
見ると事務室の棚の上に黒いビニール袋が・・・・。

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2007年10月15日 21:45に投稿されたエントリーのページです。

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