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第三六夜「少ない体験談から昔の話を・・・」ぺんたさん談

仕事で札幌に出張していた時のことです。

札幌駅北口のウィークリーマンションを借りて寝泊りしていました。
最初の2週間ほどは何事もなく、電気を真っ暗にしてもぐっすりと眠れる
平和な生活をしていたのですが、ある日の夜、部屋の中に誰か入ってきたような
気がして(女の人のような気がしました)もちろん、誰もいないんですが・・・

その日から、眠ろうとすると金縛りにあったり、パシッ!!
という大きな音が聞こえたりして、眠れなくなってしまったんです。
眠りにつく直前にベッドぐらぐら揺れるし・・・
もしかして私の寝相が悪いだけなのかしら。
私はその程度だったのですが、他の部屋を借りていた
同僚達も同時期から同じような現象に悩まされ始めました。

ひとりは角部屋だったのですが、
毎晩、誰かがドアをノックするので開けてみると誰もいない。
ハイヒールの音が部屋の周りをぐるぐるまわっているので、
気になってドアを開けてみると、やっぱり誰もいない。
しかも、その部屋は8階の角部屋で、
ベランダもないので、部屋の周りをまわるのは不可能。
そんなことが何人かに起きていたので、どうせ朝まで眠れないのなら・・・
ということで、毎晩、ひとつの部屋に集まって朝まで宴会を開いていました。

でも、マンション内だけならともかく、
それが昼夜問わずにどこにでもついてくるんですよ。
職場でも、同僚と端末を見ながらあーでもないこーでもないと話をしていると、
後ろに誰かが立って覗いているんですよ。

でも、私も同僚も仕事に集中していたので、話がまとまってから
二人で一緒に振り返って「なんですか?」と聞いてみると・・・
部屋の中には私と同僚の二人だけでした。

残業で夜中になってしまい、建物の中をうろうろしていると、
エレベータが目の前で開いて、でも、誰も乗っていない、とか。
あの「チーーン」って音が、またビビるんですよね(^_^;)

土日は実家に帰っていたのですが、夜はやっぱり同じ状況で眠れない。
で、スタンドの明かりで本を読んでいたのですが、
ふと顔を上げると、壁にライトのようなものがあたっているんですよ。
直径10cmくらいのまんまるの。
なにかな??と思って、起き上がって確認したのですが、
どうみても何かの光が当たっている。
いろんな角度から観察したのですが、不審な点はなかったので、
そのまま朝まで本を読んで、朝になってから眠って、
昼くらいに起きたのですが、起きてから考えると不審な点だらけ。
どの角度からも明かりは差しこんでこないはずの位置だった、という
こともありますが、私、側に寄って、本当にいろんな角度から見たんですよ。

でも、光が遮られる事がなかった・・・

ということは、壁の内側から発光していた???としか考えられないんですよね。
ああ、その場で気付かないおバカで良かった(笑)
私の実家は札幌から2時間半ほどのところにあるのですが、私が実家に帰っている
間にもウィークリーマンションに寝泊りしている人達はいつもと変わらず、
怖い目にあっていたそうなので、もしかして幽霊だとしたら複数いるのかしら???
仕事も終わりに近付いてきて、地元の人とも友達になり、特に仲の良かった
女の子がウィークリーマンションに遊びに来て、宴会を開いたのですが、
その日の夜、不思議なことに何事もなく、ぐっすりと眠れました。
他の部屋の野郎どもも、その日はぐっすり眠れたという話でした。
いやぁ、めでたいめでたい、東京までついてこられずに済むなぁ、
と思っていたら、職場で、前日遊びに来た女の子が

「私、昨日こわくて眠れなかったの」と言い出しました。

部屋の中でいきなりパシッ!!と大きな音がしたり、
右半身だけ鳥肌が立ったりするとか・・・あーあ、連れて行っちゃったのかぁ・・・
ちょっと罪悪感を感じましたが、まぁ、自分さえ良ければいいかぁ・・・
私に何ができるわけでもないしねぇ・・・
でも、やっぱり気になったので、その翌日、

「昨日は大丈夫だった?心配でよく眠れなかったよ」

なーんて、心にもないやさしい言葉をかけてみたら、その子はにっこりと笑って、

「ああ、大丈夫!!なにもなかったよ。昨日のも気のせいだったのかも」

うむ、良かった良かった。一件落着だ!!と、その子の隣を見ると、
なにやらどんよりした雰囲気をかもし出している地元のオヤジがひとり。

「俺さぁ・・・・昨日、金縛りにあって、一睡もできなかったんだよ」

その後、日に日にやせ衰えて、眼の下くまだらけになっていくオヤジを残して、
私達は札幌をあとにしました。(^^)

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2008年03月03日 16:29に投稿されたエントリーのページです。

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