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第五三夜「生霊」Joyさん談

私の知人の話ですが、今まで見聞きした心霊現象の中で一番怖かった生霊のお話です。もう時効だと思いますので、皆さんにに読んで頂ければと思います。但し、この話に出てくる方の背景には殺人事件に繋がっているので、場所・時期・名前等は伏せてあります。

 私の知人(仮名・美香さん)は日本舞踊を習っていました。日本舞踊は私の聞いた限りではとてもお金のかかる芸の一つで、特に着物や発表会のチケット売りに大金がかかります。彼女自身は小さな会社の事務員でしたのでやむを得ず・・・というか、趣味と実益を兼ねてパトロンを数人(会社の社長・銀行の頭取・有名商社専務etc...)ローテーションさせて、豪華な舞台衣装や発表会のチケットを売りさばき、遂に名取りになりました。
 そんなある日のことです。彼女は首に包帯を巻き、やつれきった姿で私達友人の前に現れました。
「どうしたの?」と聞くと、彼女はしんどそうにこう答えました。

「毎晩女に首を締められるの。それで寝られなくって・・・」

 驚いた私に美香さんは首の包帯を外してみせてくれました。その白く細い首に赤黒い手の跡がクッキリとついていました。それを見た友人が、「お払いに行ったら?」と言いましたが、美香さんは「ダメ」と言います。「何故?」と聞くと彼女は辺りを見回して、小さな声で私達に言いました。

「首を締める女は、私の知り合いなの。それに生きてる人だから・・・」 

 美香さんの話では、深夜寝ている彼女の上に馬乗りになって首を締める女は、日本舞踊で一緒にお稽古していた人で、お金を使って名取りになった美香さんを恨んでいるようでした。その人は今だに名取りになっていないそうですが、それとなく師匠にその人の事を聞いたら「元気よ。」と言っていたそうです。

 その後美香さんは私達の勧めもあり、第三者を伴って首を締める女の所に昼間出向き、生霊の話をしたそうです。その人はかなり怒ったそうですが、「貴方を恨んでいたのは本当だから・・・」と納得していたそうです。この一件は生霊の当人と話し合うことで解決出来ました。しかし、彼女はこの後、もっと悲しい怖い出来事が待っていたのです。この話は、また後日にしましょう。つたない文章で失礼しました。

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2008年11月24日 13:27に投稿されたエントリーのページです。

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