いたこ28号様、常連の方々、初めまして。
私栃木県在住の「ボウレンジャー」と申します。
楽し恐ろしく拝見させて頂いております。
皆さんの体験談を読ませて頂いているうちに
私もカキコしてみようかと思い、筆をとった次第です。


ええ、私、地元の有志が集まって結成された「廃墟戦隊ボウレンジャー」
なる危険な組織の一員でございます(マジです)
現在の隊員数は8名、一時期はこの二倍近くの隊員がいました(懐古)
日ごろから、やれ廃墟を見つけたとか、やれ曰く付きの廃墟だとか、
他殺や自殺現場を仕入れたぞ、とか、とにかく一癖も二癖もある因縁の
建物(又は土地)などの情報を仕入れては其処へ赴き、
検証若しくは肝試し等をやりまくっています。
もっとも、近頃はその活動も下火になってきましたが・・・。

数ある曰く付き物件。
そんな所ばかりを訪れていて、何も起こらないわけは有りません。
と言う訳で、今回は数々の体験談のうちで私の体験した
比較的ソフトな恐怖体験を語らせていただきます。
ボウレンジャーに入隊してまだ日が浅かった私。
そんな私が入隊して初めての恐怖体験。

今を去る事四年前の夏、県内K市でのお話です。

仕事を終えた私は早速「ボウレンジャー」の秘密基地、24時間営業の
某U市にあるオートスナックTへと向かいました(と言うか職場の隣です)
店内に入ると私を出迎えてくれたのはボウレンジャー3代目隊長Y氏。
(ボウレンジャーは結成されてから現在まで12年以上の歴史が有ります)
挨拶もそこそこに私は
本日の任務の内容、面子、現場などを手早く尋ねました。
隊長は「ええと、今日は墓場、面子はS氏T兄氏、現場はK市某霊園」

はう、私はいつもとは違うロケーションに少々戸惑いつつ、
何故墓場?と聞き返しました(普段は建物がメインですので・・・)

隊長「えーとね、ちょっとした霊園なんだけど、その霊園の裏手の森に
   墓を掘り起こした穴がそのまま残っているんだわ、
   リアルな感じだし、うってつけだと思ったから」

なにが「うってつけ」なのかいまいち理解に苦しむ私。
その後さらに詰問が続きました。
隊長の話を総合すると、元々その霊園は裏手に
ある森の中に乱立されたお墓を、その持ち主たちが
共同で霊園に移動して出来たということでした。
墓石と棺、お骨等を移動して完成した霊園。
しかし、裏手の森には埋め戻しされていない墓穴がまだ残っていると。

なるほど、そんなわけね。
ちょっと納得した私。
でも「うってつけ」の理解に苦しむ私(笑)
話も盛り上がり、時間も頃合になってきたころ
で遅れていた面子の最後の一人、S氏が到着。
これで(当日の)合計四人の面子が揃ったわけです。

「行きますか」

隊長の一言で私たちは現場へと移動を開始したのでした。
これからちょっとした事件がおこるとも知らずに・・・。

4~50分後現場に到着。

隊長「じゃ取りあえず一人ずつ」

いつものお約束「取りあえず一人ずつ」が始まった。
文字どうりこの行動は最前線へ一人で行って
恐怖を満喫し帰ってくるというボウレンジャーのお約束行動です。
因みに私は怖がりなので絶対行きませんが(笑)
他の皆はホイホイと一人で行っちゃいます。

一通り見学(ォ)も済んで帰ろうとしたとき、S氏が

「ちょっと中(霊園内)にも入って見ません?」

と強気な発言。
事件はここから始まりました。
姉さん事件です!(爆)

「いいよ、時間あるから」

と隊長。

しかし、私は一人じゃ行けません。
怖がりです、怖いもんは怖い!逆立ちしたって怖い。
そこで隊長と一緒に入ることに・・・。

「行こう」

隊長が切りだし私もその後へ続く・・・。

墓石ちっちゃいですね。

私が隊長に問い掛けると、

「全体の規模も小さいしね」

う~む、そう言うものなのだろうか。

Aさんちょっと、この墓石だけ文字が赤いですね・・・。
なんでですかね?

「さあ、でもおかしいよね・・・だって」

そう言いかけたときでした・・・・

『カチン!』

「?」

なんだ!?
私は辺りを見回しました。
同じく横の隊長も。

「カチンカチン」

「うお!」

おわ!!

直ぐ私と隊長の耳元で謎の金属音!

な、なんなんだ~~~!!????????

私は半ばパニックになりました。
しかし隊長は冷静に

「出るぞ」

と言い私の背中を押しました。
墓石の列の中を小走りに駆けてゆく私と隊長。
100メートルほど走ったところでやっと入り口が見えてきました。
走っている最中も金属音は私たちを
追い立てるかのようにあちらこちらから鳴り続けていました。

ガシャン!とステンレス製の通用門を開いて霊園脱出。
私たちは外で待っていた仲間と落ち合いました。

「どうでした?」

とS氏が間の抜けた問い掛けをしてきたので隊長が

「しゃれになんないよ」

と一言。
ほんとに洒落になりません!
怖いよ~(泣)

で、私たちは中で起こった事を二人に説明しました。

「じゃ、行ってきます」

って、おい!
はえ~!超速え~よ即答かい!!(ォォ
命は惜しくないのかぁ~!?

そんな呼びかけを他所に嬉嬉として二人は霊園の中へ入って行きました。

大丈夫ですかね、あの二人・・・。

「ああ、馬鹿だから平気」

笑って良いやら悪いやら、本当に入っていちゃうし・・・(汗)
・・・そして数分後・・・

「聞いたよ聞こえたよ!」
「金属音だけじゃ無かったよ!」

どうやら彼らは私たちが聞いたものとは別の音も聞いたらしい。
どんな音か、と聞くと

S氏「あの、昔の怪談話とかで<ヒュ~ドロドロ>って言う音あるよね?
   まさにあの音がしたんだよ!!」
T兄氏「ギャグでも笑えんよな~」

ぎゃ~~~~!なんなんだ~その音は~!
そしてなんなんだ~この人たちわ~!?
ちょっとわらってる~、わらってるよ~(爆謎)

彼らはちょっと笑ってました(笑)
私はかなり怯えていたのに・・・。
(当時はかなり弱気でした。今は結構平気になりましたけど・・・)

問題の音ですが、音の質的にはショクダイ(蝋燭立てです)を
倒したような、金属製の物を石の上に落としたような音がします。
でも、その霊園にショクダイは一つもありません。
墓石の前に石で出来た花差しと線香置きしか無いのです。
金属製の物は一切置いてないのです!!
でも金属音が聞こえます、誰にでも聞こえます、何時でも聞こえます。
きっと面白半分でやってきた私たちを、
霊園の住人たちが怒って出したラップ音なのではないかと思います。
本当に誰にでも聞こえます。

ああ、稚拙な上に長々と書き込んでしまいスミマセンでした。
でも、他にもまだ沢山体験談がありますので、
機会があったらまたこの場をお借りしたいと思います。

失礼しました。