皆様ご無沙汰でございます。
ボウレンジャー改め猫吉「ねこきち」で御座います。
ちょっとネームが長いので改名いたしましゅ。

さて、今回は個人的に体験したお話です。

もう7年くらい前の話です。当時、私は職場までバイクで通っておりました。主に遅番を勤めていたもので、帰宅時間は午前を回ることが当たり前状態でした。

その日も私は愛車を駆って帰路を急いでいました。国道を外れ自宅から数キロの交差点に差し掛かったとき、運悪く信号に捕まってしまった私。5月の半ばを過ぎたといっても深夜ともなれば気温はぐっと下がります。分厚いジャンバーを通して私の体に到達した冷気は容赦無く体温を奪って行きます。停車してから数十秒、静まり返った交差点に近づいてくる車のエンジン音が聞こえてきました。

私の後方からやってきた白いクーペは私の止まっている車線の隣に停車しました。目を遣ると乗っているのは若いカップルでした。こんな時間に何処へ行く?はたまた何処から帰ってきた?んん?私の頭の中では、いらぬ世話焼き妄想が駆け巡っていました。そんなこんなで約一分、そろそろ信号が変わろうかと思われたそのとき、私とカップルはなんとも奇妙な物を目撃したのです。私の右手方向、つまりカップルの車の方向から何者かが横断歩道を渡ってきます。

・・・でけ~足・・・。私の第一声はそんな感じでした。

ええ、でかいのです、とっても。今でもはっきり思い出せます。ケミカルウォッシュのGパンに白いスニーカースタイルの半透明でしかもでっかい男と思われる二本の足。足の平だけで2メ-トルはあるでしょうか。全身にしたらきっと◎ン◎ムサイズになってしまいそうな男はゆっくりと横断歩道を渡って行きます。私がそれを目で追っていると、カップルも私の目線と同じ位置を追いかけていました。

おお!俺だけじゃない!!

私はちょっとうれしく思いました。そして、何故かその時恐怖心はありませんでした。「ああ、ええもん見させてもらってます」本当にそんな感じでした(笑)

そんな阿呆な考えが過っていたころ、奴は道路を渡りきり虚空へと消えて行きました。私とカップルはしばし呆然。私はちょっぴり感動。カップルのほうへ振り向くと私と目線が合った女性のほうが、奴の消えは方向へ指を指しました。私は首を縦に振り、状況を確認し合いました。もちろん男性のほうも見えていました。なんとも言えぬ表情のカップルを横目に私はバイクを走らせました。信号はとっくに青になっていましたから。

信号は例え幽霊でもちゃんと守りましょう。点滅を開始している信号を横断してはいけません(笑)